farm at la petite mare
the spanish revolution
20世紀前半の芸術家フランシス・ピカビア。
その作風は、目まぐるしく変化し続けた。
だから、「印象派」と「ダダイスト」とか「抽象の」などと固定した表現ができないのだ。
キューバの血とフランスの血の二つが流れるピカビアは、コスモポリタンとして宿命付けられていた。
それが、一定のものに安住しない作風に多大な影響を与えたのだろう。
今まで自分が知っていたピカビアは、キュビズムもしくは機械的抽象画を描くピカビアだった。
ところが、印象派風の作品も描けば、フォーヴみたいなものもあり、なたは全てが透明で透けたような絵もあった。
とらえどころのない画家。
しかし、ある一定の画風が認められたらそれに固執して描き続けるというのもおかしなもので、ピカビアは自らの探究心を停滞させることはしなかった。
至極まっとうな芸術家ともいえる。
あらゆるところに偏在するコスモポリタンとしての生き方を貫いたのだ。
あまり気に留めていなかったピカビアが、気になる存在へと浮上した。
自由闊達でいられるには、何も持たないことに不足を感じないでいるか、莫大な富を持ってやりたいことを生活の手段としなくて済む場合ではないかと思っている。
ピカビアは、おそらく後者だろう。
それでなければ、こうも気の向くままに描くことは不可能と思われるから。
下世話だが、うらやましい限りであるよ。
bal negre
lausanne abstract
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