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映画版 魔法少女まどかマギカ

2017-09-17 23:30:22 | 映画
「映画版 魔法少女まどかマギカ」の後編を観た。
仏教・密教のカルマをモチーフにしつつ、虚無や無常が支配する絶対的な宇宙観に抗う、人が持つ希望は、なすすべを持たないというなんとも絶望的な、いわゆるダークファンタジーであった。
そのやるせなさは、「輪るピング・ドラム」にも通じるところがある。
これらは、ほぼ同じようなときに作られたこのアニメたちは、必然的に時代の生んだものともいえなくもない。
未来に希望を持てない、持ちようのない悲痛な叫びが、世界中を覆っているのだろう。
無垢な少女が、救世主となってすべての悪の因果を断ち切ろうとその命を賭したとしても、またもとのループの中に組み入れられてしまう。
業は、断ち切って浄化できるものではないのか。
ささやかな幸せ、それで満ち足りたとしても、その影には同等の不幸がどこかで起こっているとすれば、それはもう絶望的な抜け出せない輪なのだろう。
そうなれば、人々は刹那的になるしか道はないと諦め、一層希望の光は薄れてしまう。
どうやら世界は、虚無に飲み込まれようとしているようで、なんとも不安で仕方がないのである。




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