茶室「夢境庵」へ続く門構え
茨城県陶芸美術館のあと、久しぶりに春風萬里荘を訪れた。
北大路魯山人が、鎌倉に江戸時代中期以降の豪農の古民家を改築して住居としていたものだ。
厩だった場所を洋風にアレンジした応接室の床は、年輪の面を上向きにして、まるで石畳のように隙間なく敷き詰めてあり、しっかりとした中にもどことなく温もりがあって、私が凄く気に入っているところ。
茶室は、魯山人自ら設計したとかで、簡素な心地よい空間だ。
特にこの二つが、初めてここを訪れた十代後半の時に、自分の家を作るならぜひともこの要素を取り入れたいと憧れとなった。
そして、どこかで見たことのある浴室風景だが、この浴槽と壁と床のタイルは、北大路魯山人が作った陶板なのだという。
壁の二面は擦りガラスの窓となっていて、日中にお風呂に入ると気持ちがよさそうだ。
また、土間の廊下から脱衣所に入ったドアのすぐ横には、もう一つのドアが付いていて、その向こう側には急な階段があり、養蚕をする二階へと続いていた。
となると、もう真っ黒くろすけがいるしかないだろう。
こんなふうに、ゆっくりと想像をめぐらしながらいられる、趣味に生きた北大路魯山人らしいいい場所だと思う。
木の切り口を利用した床材を、石畳風に
「となりのトトロ」に出てくるサツキたちの家の五右衛門風呂によく似ている
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