とくおかレディースクリニック~ブログ~

日々、徒然なるままに、書き込んで参ります。
どうか宜しくお付き合い下さい。

子宮内膜症・・・その4

2006年05月17日 | Weblog
本日は、子宮内膜症の治療について書かせて頂きます。

子宮内膜症の治療には、薬物療法と手術療法があります。

「薬物療法」とは
 ・痛みに有効
 ・手術に比べ初めの費用が安い
 ・臨床的な診断で開始出来る
 ・身体に侵襲がない(手術ほど身体に負担がかからない)

「手術療法」とは
 ・不妊に対する治療効果あり
 ・治療後に、再び症状が出るまでの期間が長い
 ・確実な診断が出来る
 ・根治療法が可能である


本日は、子宮内膜症の治療のひとつの「薬物療法」について書かせて頂きます。
 
 1)鎮痛剤(鎮痙薬、精神安定剤、漢方薬などと併用)
   比較的軽症の場合は、痛みを和らげる目的で使われます。痛みの物質(プロスタグランジン)が作られないようにはたらく薬剤なので、月経の始まりかけた時に早めに使うと効果的です。

 2)ホルモン療法(ダナゾール)
   ダナゾールは男性ホルモン誘導体で、脳下垂体に直接作用して卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)の分泌を抑制し、一時的な閉経状態として、排卵と月経をとめます。これによって子宮内膜が萎縮し、症状が改善されます。

 3)ホルモン療法(低用量ピル)
   エストロゲンとプロゲステロンを含むピルを用いて、子宮内膜症を治療する方法です。子宮内膜の萎縮(小さくなる)をもたらし、連続的に使用した場合に月経がなくなるため、月経痛がなくなります。

 4)ホルモン療法(GnRHアナログ)
   ゴナドトロピン放出ホルモンのアナログにより、下垂体からの卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモンの分泌を低下させ、そのことにより卵巣からのエストロゲン、プロゲステロンの分泌を抑制し、無排卵・無月経(閉経)状態をつくります。鼻の中にスプレーするタイプとお注射とがあり、使い分けされています。
ーby事務長ー
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする