この連休に、朝井リョウさんの小説「何者」を読みました。
えっ、今頃???とお思いの方もおられるかもしれませんが、、、
自分のまわりに就活中の若者がいる訳ではなく、ふと手にした小説でした。
第148回直木三十五賞受賞作です。
参照)直木三十五賞(なおきさんじゅうごしょう)は、新人・中堅作家による大衆小説作品に与えられる文学賞。
通称・直木賞。
「これって、就活中の若者の恋愛を語る小説なのか?」と思いつつ読んでいきましたが、
いやはや何とも驚きの結末となりました。
この「何者」、最初に結末を読んでしまう事なく、最初から素直に読み進めていって下さい。
とても面白い語り口です。
2016年に映画化され、2017年に舞台化された作品です。
因みに映画出演者は、
佐藤健さん、有村架純さん、二階堂ふみさん、菅田将暉さん、岡田将生さん、山田孝之さん、、
という錚々たるメンバーです。
そうとう昔の自分の就活を振り返っても意味がないのは、
私達の頃はツイッターやらフェイスブックなどといったSNSなどありませんでしたから、
誰がどこの会社を受けて何次試験までいったのか?結果はどうなったか?など、
直接会って話さない限り知り得ませんでしたし、調べようもありませんでした。
また、他所の人が気になる=他所の人の状況を調べたいとも思いませんでした。
情報量が少ない分、心は平和だったといえるかもしれません。
参照)SNS=ソーシャル・ネットワーキング・サービス(social networking service)、
Web上で社会的ネットワーク(ソーシャル・ネットワーク)を構築可能にするサービス。
SNSの発展によって、情報に通じやすくなるというのも考え物なのかもしれないなぁと思いました。
無駄な興味や追跡を引き出してしまいますし、それが批判や妬みやひがみを生じさせたりしてしまいがちです。
こういう人って確かにいる!とも思いましたし、
誰でもこのような感情は多かれ少なかれ持ち合わせているのだろうな!とも思いました。
ここ数年は売り手市場と言われています。
売り手市場で運の良かった方々は、主人公・拓人や登場人物の一人・理香さんの思いは理解出来ないかもしれません。
だからこそ、売り手市場時代に意外とたやすく就職出来てしまった方々にも読んで欲しいと思った次第です。
有名大手企業はいつの時代でも買い手市場に変わりないのですが、
売り手市場時代に、苦しみ悲しむ事なく、例え第一志望でなくとも就職出来た方々は、
「中小企業で内定をもらったけど大手じゃないから内定を辞退しました」とか、
「就職してみたら思っていたのと違うので退職しました」など、、、
基本が積み重なっていない状態でウロウロしてしまう事にも繋がる為、
実は何が良いのか?何が大切なのか?最終的には分からないのかもしれませんね。
朝井リョウさんの人間観察力と想像力は怖すぎる!と実感しました。
「つぶやき」って怖いものです。
心にグサグサ突き刺ささるものを感じた小説でした。
最後には悲しい気持ちになりました。
就活中でない方々にも是非とも読んで欲しい小説です。
朝井リョウさんの小説、とても面白いので、引き続き読んでいきたいと思いました。