とくおかレディースクリニック~ブログ~

日々、徒然なるままに、書き込んで参ります。
どうか宜しくお付き合い下さい。

6月のラボ便り

2022年06月06日 | ラボ便り

6月のラボ便り

皆様、こんにちは。
ジメジメと湿度が高く、暑い日も増えてきましたね。
一足早く夏の訪れを感じます。

今回のラボ便りでは精子を作っている器官、精巣についてお話しします。

精巣は、精子とテストステロン(男性ホルモン)を作っている器官です。
精細管と呼ばれる200μm程の細い管が蛇行しながら詰まって出来ており、
精子はこの精細管で作られています。
精細管の中には精子の元になる細胞が存在しており、
管の外側から内側に向けて段々と細胞が分化しながら精子は作られていきます。
作られた精子は精細管の内腔に放出され、
管の中を運ばれて精巣の外にある精巣上体で蓄えられます。
精子が作られるまでおおよそ74日位がかかるとされています。

精巣等の生殖器の機能に影響を及ぼし、男性不妊になりうることについてご紹介します。

*おたふく風邪
おたふく風邪の合併症のひとつに精巣炎があり、思春期以降の男性患者の約20〜30%で見られます。
精巣が腫れてその後に萎縮すると、精子を作る機能が低下することがあります。

*停留精巣
出生時、陰嚢の中に降りている精巣が腹部に留まり、正常な位置に存在しないことです。
生後6ヶ月程までは自然に下降することがあります。
そのまま腹部に精巣が留まっていると、精巣の温度が上昇することによって精子の産生に影響を及ぼします。

*鼠径ヘルニアの手術
手術部位に精管(精子の通り道)が走行している為、幼少期に鼠径ヘルニアの手術を受けた場合は精管が傷つけられて閉塞する恐れがあります。

*陰のう水腫の手術
陰のうは、精巣や精巣上体が入っている袋です。
陰のう水腫は、その陰のうの内部にある内臓の隙間に液体が溜まっている状態です。
陰のう水腫自体は不妊の原因にはなりませんが、幼少期に陰のう水腫の手術を行った場合、鼠径ヘルニアと同様に精管の損傷が起こる可能性があります。

不妊の原因がないか確認する為、問診票でも過去に上記のようなことを実施していないかを伺っております。
当院に通院されていてまだ問診票をご記入頂いていない方は、是非ご記入下さい。

何かご不明な点がございましたらスタッフまでご質問下さい。

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