とくおかレディースクリニック~ブログ~

日々、徒然なるままに、書き込んで参ります。
どうか宜しくお付き合い下さい。

12月のラボ便り

2022年12月06日 | ラボ便り
12月のラボ便り

皆様、こんにちは。
寒い日が続いておりますので暖かくして体調には気をつけてお過ごし下さい。

今回のラボ便りでは、顕微授精についてお話します。

顕微授精とは、細いガラス針の先端に1個の精子を入れて顕微鏡で確認しながら卵子に直接注入する受精方法です。
受精の最初の段階である、卵子への精子の取り込みを代用することが出来ます。

卵子に精子を振りかけて自然に受精が起こるのを待つ“体外受精”という受精方法では、
必ず精子が卵子内に入ってくれるという確証はありません。
顕微授精では、確実に精子を卵子内へ注入するので、受精率が上がります。
また、体外受精では一定数以上の良好運動精子が必要となりますが、
顕微授精では1つの卵子に対して1つの精子を注入するので、
精子の数が少ない場合でも受精卵を得ることが出来ます。

しかし、顕微授精を行ったからといって、必ずしも受精するとは限りません。
顕微授精を行っても受精しない場合に考えられることとしては、
・卵子や精子に染色体異常があった
・精子が卵子内に侵入した際にカルシウムイオン濃度が上昇し、卵子活性化が起こる必要があるが、
これが起こらなかった(精子の状態が悪かった)
・卵子にガラス針を刺して精子を注入する際の衝撃により、卵子が変性してしまった
などが挙げられます。

体外受精・顕微授精などの生殖補助医療は、タイミング療法・人工授精などの一般不妊治療と比べると、
通院回数や費用負担は増えますが、妊娠率は大きく上がります。
一般不妊治療では解消出来ない、妊娠に至らない原因を解消することが出来るからです。
治療のステップアップを考えてる方々に、顕微授精について少しでも多く知って頂けたら幸いです。
何かご不明な点がございましたら、スタッフまでお声かけください。


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