つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

杉本健吉 水墨風景

2015年11月28日 | 絵画鑑賞

 

 

風景画のご紹介をもう一点させていただきます。

 

長閑な奈良の田園風景です。

前面に白く抜かれて描かれているのは積み藁だろうと思えます。

杉本健吉は写実のなかにも適度な力の抜け具合を楽しむ作品を多く残しましたが、

ときどき特に水墨において

とてもリアルな、あるいはスキッとしたセンスの光る作品に出会うことができる画家だと

いう印象を私はもっっています。

 

この奈良風景もそんな作品のひとつに思えます。

 

どんな風景も結局「わたくしの眼」を通してしか眺められない。

「わたくしの筆」を通してしか描くことができない。

 

歯痒くて、切なくて、寂しい。

描く人も、それを観る人もその共感に儚くつながるのが風景画の楽しみかた

なのではないでしょうか?

※作品画像は納品のため削除させていただきました。

 

 

 

 

 

 

 

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今西中通 0号 

2015年11月05日 | 絵画鑑賞

 

先日ご紹介させて頂きました 今西中通 0号 をお買い求めいただいたお客様より

メールを頂戴いたしました。

ご許可を得てご紹介させていただきます。↓↓

 

本日はお忙しいところ、どうもありがとうございました。

夏に芸術植物園という県美の展覧会で、関根正二の「チューリップ」を目にして深く底光りするような

マチエールに感心したのですが、今回の今西の「レモン」にもそういうところがあるなと思いました。

関根の時代とは少しずれていますが、優れた画家が求める質感には何かしら通じるものがあるのかもしれません。

レモンが2個、机の上に置かれているというありふれた静物のモチーフですが、構図もしっかりしており

隙がない感じで、一言で言ってしまえば完成度が高い。一瞬で欲しくなりました。

私は美術品を買うとき「参りました。」というセリフを吐きます。これは、その作品とその作品を見せてくれた店主に対する素直な気持ちなんです。

早速部屋に掛けたら、とても良い雰囲気でした。良い夢が見れそうな感じです。(いや、ひょっとしたら怖い夢かもしれません。)

改めて、良い作品を分けていただいてありがとうございました。感謝します。

今後ともマイペースで、ユニークな展覧会期待しております。

向寒のみぎり、お風邪にはお気をつけてお過ごしください。

 

お納めいたしました作品が末永くお客様のお心を癒し、お暮しを支えてくれますことを

ひたすら願っております。ありがとうございました。

 ※納品のため画像を削除させていただきました。

 

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マイセン けんかする子供たち

2015年10月09日 | 絵画鑑賞

いまこのマイセンの作品をギャラリーに飾っています。

可愛いなぁと毎日眺めながら、でもどうしても腑に落ちないことがあり

立ち止まって考えます。

それは、この三人の子供たちのお顔についてです。

下になって 花をとられ、おまけに髪の毛をつかまれている男の子。

悔しそうな、怒っているような。。このお顔については十分共感ができます。

次に泣いている女の子。

喧嘩しあう男の子の間にはいって・・まさかこの女の子を取り合って喧嘩している

訳ではないと思うのですが・・困って泣き出した女の子のお顔。

泣きながらも片目で様子を伺っているところなど

非常によく女の子というものを見ているなぁと感心し、これにも大変共感できます。

 

 

 さて問題はこの上にまたがった勝利の男の子のお顔です。

この彼の心境はいかなるものなのでしょうか?

もっと、悪びれたり、うれしそうであったりしても良いように思うのですが、

やけに紳士的というか?求道的過ぎないか?と考えてしまうのです。

ちょっと悲しげでもありますね。

花を取り上げ、相手の髪をつかみながら、ちょっと悲しげな子供らしくない子供。

マイセンの工房は人の悲しみの表現を狙ってこのお顔をつくったのでしょうか? 

いやいやそこまでは無理だろう。。

ちょっと影になって見えにくいので、この子のお顔だけ手抜きしたのだろうか?

いやいやそれもないだろう。。

 

くだらないことのようでありながら、私には大切な考察事項であったりします。

良し悪しに関わりなく、私はずっとこのようにしか美術品を見てこなかったのだろうと思います。

 

 

今はとにかく、この作品とお別れのときが訪れるまで、真剣に3人のお顔を観察し続けようと思っています。

 

 ※納品のため作品画像を削除させていただきました。

 

 

 

 

 

 

 

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モーリス・ドニ リトグラフ 

2015年09月30日 | 絵画鑑賞

 

モーリス・ドニ リトグラフ 「テラス」

 

 

以前モーリス・ドニの展覧会にいき、この画家のファンが日本に多くいらっしゃることを知りました。

最近仕入れた版画ですが、やはりどこか温かみがありホッとします。

以下、ドニについてWEB上の資料を利用させて頂きますね。

 

 ※納品のため画像を削除させていただきました。

 

モーリス・ドニ Maurice Denis

1870-1943 | フランス | 後期印象派・ナビ派・フランス象徴派

ナビ派、フランス象徴派を代表する画家兼版画家。装飾性に富んだ叙情性豊かな象徴的絵画や版画を手がけ、最年少ながらナビ派の画家として確固たる地位を確立。日常に典拠を得た親密的で柔和な作品の他、信仰心と精神性を感じさせる宗教画や神話画、挿絵、壁画装飾など様々な作品を制作した。また理論家としても名高く、ナビ派を象徴する作品『護符(タリスマン、ポン・タヴェンの愛の森)』の制作者でもあるポール・セリュジエと共に同派の絵画表現理論の中核を担った。敬虔なカトリック教徒であったモーリス・ドニはピエール・ボナールやエドゥアール・ヴュイヤールとは異なり、ジャポニスム(日本趣味)よりも初期ルネサンス(特にフィレンツェ派のフラ・アンジェリコ)や新古典主義に強い影響を受けるほか、アール・ヌーヴォーとの類似性も指摘されている。1870年、仏英海峡サンマロ湾に面するグランヴィルに生まれ、パリ郊外サン=ジェルマン=アン=レで幼少期を過ごした後、1882年から87年までパリのリセ・コンドルセ(コンドルセ高等学校)で学び、同校でエドゥアール・ヴュイヤールと出会う。1888年からアカデミー・ジュリアンへ入学し、ポール・セリュジエ、ピエール・ボナール、フェリックス・ヴァロットンらと知り合う。当時、ブルターニュ地方ポン=タヴェンで制作活動をおこなっていた総合主義の創始者ポール・ゴーギャン、エミール・ベルナールらの新しい絵画表現に魅了され、同年、セリュジエによる『護符(タリスマン、ポン・タヴェンの愛の森)』の完成によりナビ派(預言者の意)の結成に至る。1890年8月、20歳の時に芸術雑誌「芸術と批評(アール・エ・クリティック)」へ理論的な芸術論文「絵画とは軍馬や裸婦、或いは何かの逸話である以前に、本質的には一定の秩序の上に集められた色彩で覆われる平面であることをまずは認識すべきである~(序文抜粋)」を寄稿、ポール・セザンヌ以降の近代絵画の定義や理論考察に多大な影響を与えた。また、この頃オディロン・ルドンにも大きな関心と尊敬の念を寄せる。1893年からエミール・ベルナールやポール・セリュジエらと共にパリやヴェネツィア、カイロなど中東、スペインなどを旅行。1898年頃から古典主義的な傾向を強めつつ、翌1899年にはポン=タヴェンへ初来訪するなど、シャンゼリゼ劇場やヴェジネの教会付属礼拝堂を始めとした壁画装飾等の仕事をこなしながら、50年近くブルターニュの情景を描き続けた。1908年にブルターニュ北海岸沿いのベロ=ギレックで別荘を、晩年期には幼少期を過ごしたサン=ジェルマン=アン=レで邸宅を購入、現在、この邸宅はプリウレ美術館としてドニを始めとしたナビ派の作品が数多く展示されている。1943年、同地で死去。

 

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斎藤典彦 作品

2015年09月19日 | 絵画鑑賞

いよいよシルバーウィークに入りました。

今日実家から名古屋に戻ってきましたが、途中の東京駅は大混雑。

お土産売場もお弁当売場も沢山の人たちが並んでいました。

皆様は休日をどのようにお過ごしのご予定でしょうか?

 

斎藤典彦先生から、4号の新作が届きました。

こまやま秋

こまやま冬

どちらもやはり色の美しい作品です。

特に冬をご覧くださったお客様が「あら、美味しそうな色」と

おっしゃってくださったのが忘れられません。

「あぁ~小豆のいろ?」ピンときてしまう私も食いしん坊!

日本には本当に美しい色が沢山あります。

 

斎藤先生には他にも小品を頂きましたので、

しばらくギャラリーに飾らせていただきます。

 

是非ご高覧くださいませ。

 

 

 

 

 

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