遅ればせながら 名古屋市美術館の上村松園展に出かけてまいりました。
平日にも関わらず沢山のかたが鑑賞され、やはり女性のお客様が多いためか
係の方が『お静かにご鑑賞願いま-す』と注意をされていました。
混雑はありましたが、空いている場所(おしゃべりに夢中になっているかた達
の流れがとまる場所)から鑑賞できる程度。
2010年秋の国立近代美術館での展覧会以来の松園展で、
今まで見たことのない作品も展示されていましたので
楽しんで鑑賞することができました。
74年の人生の最後の最後まで、精進し 筆を取り続けた松園は
やはり女性として見事な人生を送られたとのだと改めて感心しました。
私自身が歳を重ねれば重ねるほど、女性として生きるということの
難しさを実感し
画家として松園の情熱にますます心を打たれるようになったのだと思います。
松園の作品の芸術性を想うというよりも、
松園の作品、人生、全てに尊敬と共感を覚えるということなのかもしれません。
上の画像は 『多から舩』という作品。
大正10年、漢詩漢学を新たに学び始めた松園46歳頃の作品です。
37×52.5センチの横長の画面に
少し窮屈ながら見事な構成と色彩で若い女性の表情を生き生きと描いています。
この後、松園は50代、60代とますます円熟味をましていきます。
今回の展覧会も個人蔵の作品が多く、松園の作品がいかに皆さまに
愛されているのかを伺うことができました。
展覧会は残り2週間 6月2日までとなります。金曜日は夜8時までの開館です。
名古屋市美術館開館25周年記念 上村松園展に是非お出かけください。
http://event.chunichi.co.jp/shoen/