つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

お客様のギャラリー拝見

2024年01月05日 | お客様よりのお便り
昨年末から私がしつこく各お客様に「作品を飾っていらっしゃるご様子を画像でお送りください!」とお願いをしておりましたので、それに応え画像をお送りくださるお客様がいらしてくださいました。

まずこちらは、名古屋市内で和菓子店を経営されていらっしゃるお客様のお店のご様子です。

さて、当店がお納めした作品はどこにお飾りくださっているでしょうか?


このお客様は職人さんであり、お商売をされる商人さんでもいらっしゃいます。
多分、日常には色々な感情が湧き起こっていらっしゃるのだろうと思います。ですから、ご趣味もとても広い。


手前のショーウィンドウには、まず古い楽譜。確かネウマ譜。一気にクリスマスの気分に誘われます。

ずいぶん大きなドールハウスと沢山のお人形達。


そして、そうです!当店からはその隣で美しく光っているラリックのガラス作品をお納めしました。

ほんの少し前なのに、「懐かしい輝き」

この作品をクリスマスに合わせてお飾りいただくと聞いて驚き、内心、「大丈夫?」と思っていましたが、
この画像を見て「なるほど!」と安心いたしました。





立派な床の間には大きなクリスマスツリーとやはり当店がお納め致しました佐野繁次郎作品、これは裏側の作品ですね。
表はお馴染みの絵画作品、裏にはこうして佐野の構造主義に関する言葉が書かれています。

この裏側の作品をクリスマスのイメージに重ねてお飾りくださいましたのが、このお客様のセンスです。

ラリックにしても、佐野繁次郎にしても、当店にあった頃のイメージと違う印象を受けます。

それは、このお客様が作品を楽しんでいてくださっている。ご自分を表現してくださっている証拠です。

















こちらのお店は京菓子司 亀広良さん。

朝廷に菓子の「献上」を許されたお役目が京菓子司。

京都で修行を積み、各季節を丁寧に感じ、素材を厳選し、「一期一会の上菓子を表現し続けている」
名古屋では珍しく志の高いお店でいらっしゃると私は思っています。








上菓子にはお題が必ず添えられます。
今年のお正月のお菓子、「和」
守一の作品のようなお菓子ですね。



年末の大変お忙しい中を画像をお届けくださいましたこのお客様にもいつも大きな励ましをいただいています。

また季節の移り変わりとともに、お店の様子をお知らせいただきたいと思います。
ご協力、まことにありがとうございました。













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高山辰雄ブロンズ

2024年01月05日 | 高山辰雄
年が明けてからの4日間は、家から一歩も出ずに過ごしました。2日は、再度息子の家族が来てくれて楽しく過ごしましたが、あとはひたすらボーっとテレビを見て過ごしました。

ただ、昨日は少し佐橋の部屋の片付けをしました。

店の佐橋の机周りと、自宅の佐橋の部屋の片付けさえすませてしまえば、のちのち、私がショックを受けたり泣けてしまいそうなメモ書きなどが出てこないだろうと思ったからです。また、どこかに本当の佐橋の姿を探したいという気持ちがあるのだと思います。

夫婦というのは、幸せの記憶と同時に闘いの記憶も育みながら生活を共にするものだと思います。

相手を喪い、思い出の蓄積作業も止まってしまうと、不思議と幸せの記憶よりもその闘いの記憶が、残された者、つまり私を傷つけるのです。きっと幸せの記憶はあとから少しづつ私を癒してくれるのでしょう。

実際昨日も、部屋の片付けをした後かなり落ち込んでしまいました。

普通ここで、どこかへ出かけたり、誰かに連絡を取って気分転換を図るのでしょうけれど、今回いただいたお休み中は極力人と会わず
できるだけ自分の中に閉じこもってみようと思っていました。

けれど、たえて、たえて、鬱々になって、やっぱりだめかぁ〜、妹に電話しようか?となった時、携帯に着信がありました。義娘のお母様からでした。「ゆみちゃん?」「なっちゃん、どうしているかなと思って」この着信に全て救われました。

昨年の初夏から初めは両目を瞑って、それから片目を少しづつ開けて、今年は薄目であっても両目を開けるようにして、よく自分と周りを見渡してみようと思います。きっと長く両目を瞑った分、色々なものが見えてくるはずです。そして、また苦しくなったら目を瞑ってじっとしていればいい。

感じ方一つだということくらいわかっていても、体と心がそうさせてくれないのだから、じっとしているしか仕方ないのです。
それだけの深い縁を佐橋と名古屋に私は結んでしまったのです。








高山辰雄のブロンズ。

いかにも寂しそうに立ちながら、長い髪で自分を隠しうつむきながら、しっかりと何かを見つめ、考えている眼。

そこにこの作品の美しさがあると思います。そして、微笑んでいるようにも見えます。

人の孤独を知る高山辰雄という画家の魅力そのものだと思い、私は年末この作品と数日を過ごし心を落ちつけることができました。




すぐにまたお休みをいただきますが、明日から営業をさせていただきます。

みなさま、どうぞよろしくお願いいたします。















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