年末にお納めした清方の「奴凧」を早速ご自宅にお飾りくださり、先週末その画像をお見せくださいましたので、私からお願いをしてこのブログにも掲載させていただくことに致しました。
佐橋がおりますときに一度ご来店くださり、この作品がとても良いとおっしゃってくださった素敵な女性のお客様。この作品の事をずっと覚えていてくださり、年末に「まだあの作品はお持ちですか?」とおっしゃってくださった時には、とても嬉しく感激致しました。そしてお客様もまた佐橋の不在に驚いてくださいました。
お若い方にこの作品の余白の清らかさ、「粋」をお感じいただけましたことは、日本画の好きな私には何よりの出来事でした。結局その作品のことをいとおしく、長く思ってくださっている方のお傍に自然と作品は嫁いでいくのだと、今回もしみじみと実感致しました。
ご家族でいらっしゃる黒猫さんも、新しい仲間を歓迎してくださったのか?ちょこんと作品のそばでいっしょに写真におさまっているのも微笑ましいかぎりです。
このところ、女性おひとりでいらしてくださるお客様が増えてきています。それだけきっとご家庭でもお仕事場でもきちんと独立したお立場をお持ちの方々がふえていらっしゃるのだと感じます。
「この清方の作品に見合う自分になれるよう頑張りたい」
そんなお言葉を私にお伝えくださるお客様は、この作品をお求めいただいた瞬間からもう「見合う」器をお持ちになっていらっしゃる方なのだろうと思います。ご家庭で社会でご自分を鍛えていらっしゃらなければ口にできないお言葉ですものね。
福井の展覧会もご覧くださり、一通り雪景色をご覧くださった後に、孔版画をお見せして今までご存じなかった福井の作品について少しお話させていただくと、「版画を見て、雪景色の見方も少し変わりました」とおっしゃってくださいました。
そして上の画像の孔版画をお求めくださいました。
外をお通りの方達の中でギャラリーの中に入ってきてくださるのは圧倒的に女性の割合が多いと山口薫展のときより今回特に感じます。ショーウィンドウいっぱいの雪景色のあたたかさに何かをお感じいただけるのでしょうか?
お求めいただいた孔版画もそうですが、福井は女性の存在をとても大事に思っていたのではないか、また女性が男性に求めるものをよくわかっていたのではないかと感じます。
女性にもまちがいなく深い孤独感があります。
腰はほとんど完治し、昨日からいつものように出勤させていただいています。
みなさまが「ちょっと寄ってみました」とお顔をお見せくださいますことが今までより増して心強く感じられております。
大変お寒い中ではありますが、よろしければ福井展、どうぞご高覧くださいますようお願い申し上げます。
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