つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

日本画とは何だったのか 近代日本画史論 古田亮著

2018年04月02日 | 日記・エッセイ・コラム




タイトルの面白さに、取り寄せてみた本です。

「いまどき、このタイトルで本を書かれて、一体どれほどの方達に受け入られるというのだろうか?」

皆さまに日本画を、またお軸をお持ちくださるようにおススメしてきた私自らが、そのように思ってしまう時代です。

400ページ近くに及ぶ著書ですし、研究書でもありますので、文体の個性や、章の進め方に慣れるまでは、小説を読むように一気に読みきることができませんが、日本画の通史を取り扱っているにも関わらず、何処から読んでも、例えば一人一人の作家について書かれている部分から読んでも、まず大変丁寧に、「丁寧に」という言葉が失礼かと思うほど、日本画をいうものに深い愛情と細やかなご研究をもって書かれたことのわかる著書だと大変嬉しくなりました。

各時代の日本画の位置付けに目立って新しい解釈を感じるということはないのかもしれませんが、特に近代日本画の歴史を「今!」これほどきちんと把握できる書物はなかなか無いと思いますし、日本画の背負ってきた意味、そして何より、これからの可能性に私自身は一つのヒントを頂いたような思いでいます。



近代日本画を見直すことによって、これらの日本画、或いは日本文化を日本人自らが獲得していく。。
そんな印象と希望を持つことができました。

作品自体も随所に掲載されて、それだけでも入門書として楽しめるかと思います。

知らない作家が多くいるのに、ちょっとショックを受けた私ですが、これから何度も、そして少しづつ読み進めようと思っています。

また読後感に変化があれば皆さまにもお知らせいたしますね。







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