つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

御便り

2018年04月06日 | 絵葉書



四月はこちらの絵葉書で、皆様にお便りさせて頂こうと思っています。

書き損じや、インクで汚してしまうことの多い私ですので、

急遽書きかえたり致しますが、出来るだけ季節を感じる葉書を選んでいます。

季節を意識すると、どうしても日本画の絵葉書ばかりになってしまいますね。

次回は油絵でそろえてみましょう。

 

 

 

 

 

 

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御園座こけら落とし

2018年04月04日 | 舞台
運よくチケットを求めることが出来、1日の日曜日には御園座さんのこけら落としの公演、夜の部に伺うことが出来ました。


新しい緞帳にも興味津々。



絹谷幸二さんの「黄金旭日名古屋城」積水ハウスさん寄贈





杉本健吉 「天人奉楽」 名古屋鉄道、三菱電機さん寄贈



松村公嗣 「野分」 大丸松坂屋百貨店、トヨタ自動車さん寄贈




2、3階の食堂がなくなってしまったり(一階にイートインコーナー、豊富なお弁当、飲み物など販売されています。持ち込みは禁止されていますが、劇場内でお食事ができるようになりました)、寂しくなったところもありますが、赤を基調に綺麗で、椅子まわりも以前に比べてゆったりと座り心地がよく、なんといっても花道横のお席での観劇は格別でした。




大好きな中村吉右衛門さんのお馴染み「梶原平三誉石切」は、役柄通りの男気に溢れ、歌舞伎の形と台詞回しの美しさが相まって気持ちよく別世界に誘われました。名刀と出会えた主人公のあの眼!あの笑顔!当店にご来店のお客様が、良い作品に出会われたときのお顔にそっくりで、一人で笑えてしまいました。





新幸四郎さんは、しばらくお芝居を拝見できなかった間に、もともとの姿の美しさに幅と深みが増していらっしゃってとても驚きました。まさに、新しい幸四郎の誕生です。


一度拝見したかった新白鴎さんの弁慶には泣けました。


「同年輩の富樫では、義経公を守る信念に富樫が感銘し、関を通してやる気になるんだという解釈で弁慶を勤めております。今度は、若い幸四郎を相手にするわけですから、それとは違った弁慶でないといけないと思います。熱意だけではない。人間としての懐の大きさに富樫が打たれる。そんな弁慶を演じたいと思います。」というお言葉通り、新しい白鴎さんの演じる弁慶には、その生き甲斐も哀しみも全部が現れ、「人間」を見せていただいた思いがしました。


お能に比べ、歌舞伎は観劇料もお高くなりますが、久し振りに「お江戸の春の香り」に触れられた思いが致します。

歌舞伎の美しさ、華やかさは気持ちを明るくしてくれ、明日への勇気を与えてくれます。



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日本画とは何だったのか 近代日本画史論 古田亮著

2018年04月02日 | 日記・エッセイ・コラム




タイトルの面白さに、取り寄せてみた本です。

「いまどき、このタイトルで本を書かれて、一体どれほどの方達に受け入られるというのだろうか?」

皆さまに日本画を、またお軸をお持ちくださるようにおススメしてきた私自らが、そのように思ってしまう時代です。

400ページ近くに及ぶ著書ですし、研究書でもありますので、文体の個性や、章の進め方に慣れるまでは、小説を読むように一気に読みきることができませんが、日本画の通史を取り扱っているにも関わらず、何処から読んでも、例えば一人一人の作家について書かれている部分から読んでも、まず大変丁寧に、「丁寧に」という言葉が失礼かと思うほど、日本画をいうものに深い愛情と細やかなご研究をもって書かれたことのわかる著書だと大変嬉しくなりました。

各時代の日本画の位置付けに目立って新しい解釈を感じるということはないのかもしれませんが、特に近代日本画の歴史を「今!」これほどきちんと把握できる書物はなかなか無いと思いますし、日本画の背負ってきた意味、そして何より、これからの可能性に私自身は一つのヒントを頂いたような思いでいます。



近代日本画を見直すことによって、これらの日本画、或いは日本文化を日本人自らが獲得していく。。
そんな印象と希望を持つことができました。

作品自体も随所に掲載されて、それだけでも入門書として楽しめるかと思います。

知らない作家が多くいるのに、ちょっとショックを受けた私ですが、これから何度も、そして少しづつ読み進めようと思っています。

また読後感に変化があれば皆さまにもお知らせいたしますね。







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