つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

岩橋英遠 軸

2021年01月20日 | 岩橋英遠
ふとしたご縁をいただいて昨年末にこの岩橋英遠のお軸に出会いました。


英遠は1903年明治36年北海道の出身で、最終的には安田靫彦の門下生となり、院展で活躍、芸術院会員、文化勲章受賞と主に昭和の時代を舞台に大いに活躍をした日本画家です。93歳没。

特に鶴を描いた作品で定評があり、大変人気がありました。
佐橋も私も若い頃から沢山の作品を見させて頂きましたので、懐かしく拝見。
軸装は珍しく感じられました。

若い頃には気づかなかったことが、年を経て、つまり歳をとってわかる事もあります。英遠の作品には、誠実さの裏返しに、少し固いイメージがあるのですね。


けれど、そこに拘らずに通り過ぎて、、更に鑑賞を進めると







実に丁寧に筆を絹地におさめ、鶴へのこの画家の「思い」をひしひしと感じることができます。

とてもとても清々しい作品です。

表装は愛知県一宮市、居松清唱堂。

私たちにとって、大変思い入れの強い作品となりそうです。
お正月は過ぎてしまいましたが、これから機会あるごとにじっくり眺めたいと思っています。


岩橋英遠 軸 「晨明」 絹本・彩色  68×51㎝ 共箱 
385,000



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入江波光 軸 

2021年01月17日 | 入江波光



入江波光は佐橋が好きな画家の一人です。好きな画家というより憧れの画家という言葉が似合うようにも思います。開店以来何点かの作品を扱わせていただいて参りました。

入江波光について略歴などは省略させていただきますが、彼もまた誰よりも真摯に画業とむきあった画家で、少し理にこだわりすぎているのかなぁ?頑固すぎるかな?

入江波光の作品を見るとそういう要素を少し感じることがありますが、それらをすべて含めて。。 入江波光という画家の 質の高さ、強さに心を奪われます。

以下入江波光の「画論」より 彼自身の言葉を抜粋しこの画家の紹介とさせていただきます。


「芸術の世界に立てば個性はせまい自我である。」

「自分にあまり固執してはいけない。成長と創造のない苦しみに自分を追いやることになるから・・気前よくすべてを放り出すことによって自分が鍛えられる第一歩がある。」

「近代絵画の悪い一面は構想画が少ないことである。構想力が貧困というよりも無いのに等しい。伝統も古典も一切断ち切って自分一人の力で一つの新しい世界を確立し、そこへ華々しく躍り出ようとする現画壇の動き、これは近世絵画の悲劇である。」

「伝統の心の奥深く、底深く、釣瓶をおろしてみても汲み上がってくるものはいつもその人の努力とその人の経験とその人の理想と細心さが量を決めた水である。ただ、量の少ないことばかり云って画人の日々のつとめを怠ってはいけません。」








入江波光 軸 かにときす 紙本・彩色   35×44㎝   共箱  280,000










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上生菓子

2021年01月10日 | 日記・エッセイ・コラム
先日お店の設えをご紹介させていただいた菓子司亀広良さんのご主人が干支のお菓子を届けてくださいました。

「参考にさせてもらいました」とおっしゃって。。

はじめは焼印の牛の顔ばかりに目が行ってしまったのですが、お話を聞いて、はっ!
と再度よくみると



この杉山作品の牛に繋がる青い線!



薯蕷饅頭、伊勢芋をたっぷり使った皮の仄かな甘味とねっとりとした食感が、真の上生菓子の風格を堂々と感じさせます。

青い線も含め、清々しい気持ちで、大変嬉しく、美味しくこのお菓子を賞味させて頂きました。ありがとうございました。










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お客様よりのお便り

2021年01月06日 | お客様よりのお便り
昨年、画家梶田半古のご遺族さまとお話をさせていただく機会を得る事が出来ました。
ありがたいご縁をいただいたと思っておりましたところ、年始にこんな色紙を頂戴いたしました。

色紙に添えてくださったお手紙には


「同封の半古の色紙『鍾馗画』、ご専門家に印刷の色紙をお届けしてお恥ずかしい限りです。
私は八十歳で、基礎疾患持ち、コロナに好まれるタイプです。ドクターストップで、ほぼ家におりますので、身の回りを見て
こんな色紙でも「鐘馗」がコロナから佐橋様を守ってくれることを願い、お送りいたしました。それこそ本当にご笑納くださいますようお願い申し上げます。」とお書きくださいました。

佐橋も基礎疾患を持っていることをご存知でいらっしゃるので、私どもにお心をお寄せくださったのだと思います。

印刷物とはいえ、大塚巧藝社製でありますし、何といってもさすが半古。
筆の冴えは、「印刷」を超える迫力を持ちます。生の作品はいかほどのパワーを持つのでしょうか?
是非拝見したいものです。









年頭に立派なお守りを頂戴した思いで居ります。

誠にありがとうございました。










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2021/01/05

2021年01月05日 | 佐橋美術店の展示・展覧会
2021年1月5日、おかげさまで元気に仕事始めの1日を迎える事が出来ました。

今年初めての作品の掛け替え。

ご存知の作品ばかりとなるかと思いますが、ざっとご紹介させていただきますね。










川端龍子は、大変立派な画家だと思います。
ぜひ一度、龍子の作品をお側にお飾りになってみていただきたいと思います。


仏師、向吉悠睦さんの木彫「西陣」。西陣織の反物に文鳥が乗っています。








古径の作品は椿の季節を迎え、益々艶っぽく見えてきています。

少し早いかと思いましたが、印象作品を久しぶりに出しました。
この作品もレベルが高いと思います。






新しい丘人作品、「海を渡る満月」昭和37年作
後日、ご紹介させていただきます。







浅井閑右衛門と寺内萬治郎。
近代洋画の匂いがプンプンして参りますでしょ(笑)






伊東深水のお軸を挟んで吉田善彦2点。
清く、大変上品な空間となりました。




当店の善彦作品の中ではこの「雪笹」が、私は1番好きです。
何度見ても発見があり、何度見ても心に灯が灯ります。










冨田渓仙と徳岡神泉の鯉。
神泉の作品とも久しぶりの再会です。
心が澄んでくる気がいたします。



自慢の作品達を飾りました。
通路、応接間はまたの機会にご紹介させていただきますね。















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