愛媛県西条市、標高745mの山上にある60番横峰
寺への遍路道は、台風被害で道路崩壊にあうことの
多い難路です。
初回の平成4年11月には、その年の台風被害で、
順路となる北側の59番あるいは61番からの遍路道
は台風被害で通行禁止でした。
そこで東側、黒瀬湖畔の温泉旅館京屋別館から、
ただひとつ通じていた平野林道を60番横峰寺に向か
いました。
温泉旅館京屋別館と平野林道とを結ぶ車道も、まだ
台風による崩壊の爪跡が随所に残っていました。
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左手の、工場らしい建物は土砂崩壊でつぶれていま
した。台風被害の怖さを感じたところでした。
60番横峰寺の参拝を終え、初回はもとの道を戻り、
2回目も同じ道を下って温泉旅館京屋のそばで、黒瀬
湖畔を走る県道12号に入ります。
県道は湖畔に沿って進みますが、遍路道は400m
ほどで三差路を左折して、県道142号に入ります。
左折してすぐ、石鎚山をご神体とする石鎚神社奥社
の一の鳥居を通過しました。
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松山道車道下付近で県道142号に分かれ、63番
吉祥寺と64番前神寺の間の旧道に下ります。
東に向かう旧道の橘公民館付近。
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64番前神寺の参拝を終え、西条市の中心街に泊ま
り、翌日は新居浜市から四国中央市へと国道11号と
並行する旧道をひたすら東に向かいます。
新居浜市内に入り、交差する県道47号の先で、アー
ケードに覆われた喜光地商店街を通過しました。
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しかしこの商店街も、ご多分に漏れずシャッターの
下りたままの店が大半でした。
四国中央市の旧伊予三島市街を抜け、65番三角寺
に向かいます。松山自動車道をくぐり、銅山川発電所
の先で住宅地を抜け、ミカン畑の先から上り道となりま
した。
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標高500mの山腹にある65番三角寺にお参りし、
別格霊場14番の常福寺(椿堂)を経て、愛媛、徳島
県境の境目トンネルに向かいます。
常福寺から少し下って国道192号に入りました。
県境まではこの国道を3kmほどです。
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県境の境目トンネルは全長855mありますが、歩道
は設けられていました。
トンネルを出ると、徳島県三好市(旧池田町)です。
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ふつうの順路では、3kmほど先の池田町佐野から、
66番雲辺寺へと上がるのですが、2回目の遍路では、
国道を進んで吉野川まで出て、別格霊場15番箸蔵寺
に回りました。
吉野川左岸沿いの県道267号を進み、箸蔵の町並み
の背後から箸蔵寺への遍路道を上がります。
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遍路道には、1町ごとの町石も立っていました。
箸蔵寺は標高540mの山上。バスや車で来た人の
ためのロープウェイもあります。
遍路道を下って、もとの道、県道267号を白地まで
戻ります。県道といっても車の交通量は少ないので、
歩道が無くても安心して歩けます。
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池田町佐野まで往路を戻り、四国霊場の最高峰、
66番雲辺寺に向かう遍路道を上がります。
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雲辺寺の標高は910mですが、この遍路道を665m
まで上がると林道に出て、あとは傾斜が緩やかになり、
思ったより楽に上がれました。
太い杉木立の林立する山上の霊場、雲辺寺の参拝を
終え、初回は、雲辺寺山の北斜面を下る最短コースを
進みました。
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雲辺寺から4km余り下ってミカン畑のところに出て、
やがて県道240号に入り、67番大興寺へ向かいます。
2回目は、西側に少し迂回してロープウェイ山麓駅そば
に向かう遍路道を下りました。
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このあと、別格霊場16番萩原寺に参拝、県道241号
経由で67番大興寺へ向かいました。 (続く)