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小さな組織=トップダウン=迅速? (加速学習法実践テキスト(コリン ローズ))

2006-04-13 00:12:05 | 本と雑誌

 この本の前書きに、以下のような「学習する組織」についてのコメントが書いてありました。

(p13より引用) 学習する組織では、人々はトレーニングを受けるまで待ってはいません。あなたは、自分の職務で(また個人の生活においても)成功を収めるためには何を学習すべきかを自分で決めて、率先してそれを学習する必要があります。「ボトムアップ式の学習」が、「トップダウン式のトレーニング」に取って代わります。

 よく、変化に対応し迅速に動くためには、「小さい組織でトップダウン型でなくてはだめだ」と言われます。「大きな組織は、重層構造でスピーディな意思決定はできない」からというのが一般的な理由です。
 しかしながら、それは本当でしょうか?
 確かにすべての意思決定が「トップ」に委ねられているのであればそうかもしれません。が、そういう企業は強い企業でしょうか?

 課題のひとつひとつが、その場で意思決定され解決できれば、その方がより多くの課題に迅速に対応できたことになります。
 すなわち、組織の構成メンバひとりひとりの意思決定能力が高まる方が、組織トータルの対応力ははるかに広く大きくなるのです。
 いかにスーパーマンのトップであっても、その能力には限界があります。また、リスクマネジメントの観点からも一点集中型のマネジメントには問題があります。コンピュータシステムと同様に、組織も冗長構成をとっておかないと事業継続性(business continuity)は保てないのです。

 最大のリスク分散は、組織メンバ全員のCPU化です。マルチタスクを処理する分散型コンピューティング、最近の流行のコンセプトでは、グリッド・コンピューティングを実現するWeb型組織がひとつの解だと思います。メンバはI/O装置ではありません。
 「学習する組織」というのは、メンバがCPUであるからこそ実現できるのです。

 私は、組織の規模と組織としてのagility(アジリティ)とは基本的には無関係だと思います。もし、大企業でアジリティが阻害されているとしたら、それは、以下の2つのケースでしょう。

 ひとつは、正しい意思決定できる下位組織(所属メンバ)にうまく権限委譲ができていないケース。
 今ひとつは、意思決定できる能力のない組織(メンバ)に権限委譲をしてしまっているケースです。

 いずれの場合もメインフレームを中心にした統合型コンピュータシステムがダメというわけではありません。
 統合型システムを構成する各サーバへの適切なタスク分散ができていないだけです。

コメント
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