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考える技術・書く技術 (バーバラ・ミント)

2006-10-11 23:21:35 | 本と雑誌

 いわゆる「ロジカル・ライティング」の解説書です。
 著者のバーバラ・ミント氏は、世界の主要なコンサルティング・ファームに対してもライティングの講義を行っているこの分野の実力者です。

 当然のことながら、「ライティング」の前提には「シンキング」があります。
 この本では、分りやすい文章を書くためにはしっかりした「論理構成」が不可欠との観点から、いくつもの具体的なフレームワークやツールを紹介しています。
 たとえば、「適切な文章構成の3つの鉄則」として示しているのは、以下のポイントです。

(p15より引用) 
1.どのレベルであれ、メッセージはその下位グループ群を要約するものであること
2.各グループ内のメッセージは、常に同じ種類のものであること
3.各グループ内のメッセージは、常に論理的に順序づけられていること

 これが、まさに著者が提唱する「ピラミッド原則」の基本スキームになります。

 著者によると、ピラミッドを形成する「事実」や「思考」を論理的に並べるパターンは、以下の4つしかないと言います。

(p17より引用)
演繹の順序(大前提、小前提、結論)
時間の順序(1番目、2番目、3番目)
構造の順序(北から南、東から西、等)
比較の順序(1番重要なもの、2番目に重要なもの、等々)

 また、ピラミッド型に構成されたロジックに基づき「ビジネス文書」や「コンサルティング提案」等を書き起こす際には、「導入部」の内容がポイントになると述べています。
 この導入部の構成としては、「古典的なストーリー展開」を推奨しています。「状況→複雑化→疑問→解答」という一連の流れです。

(p26より引用) まず、「状況(Situation)」の時間と場所を設定します。この「状況」の中で何かが起きます。これを「複雑化(Complication)」と呼びます。この複雑化によって読み手は「疑問(Question)を抱き(あるいは、おそらく抱くはずであり)、それに対してあなたの文章が「答え(Answer)」を与えるというパターンです。

 割り切りすぎた説明という感じもしますが、まずは「基本の型を身につけることに専念すべし」ということです。

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則 考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則
価格:¥ 2,940(税込)
発売日:1999-03

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