小学生のころ、宇宙に興味を抱いていた頃がありました。お小遣いをためて天体望遠鏡を買って、ときどき、月や惑星、二重星や星団・星雲等をみていました。
ということもあり、ホーキング博士の著作は一度は読んでみたいと思っていました。
本書は、氏の著作の中でも分かりやすいとの評判で選んだのですが、やはりほとんど理解できませんでした。時代を追った宇宙論の流れについては頭にはいるのですが、最近の理論の説明になると、言葉は読めても内容の「理解」には至りませんでした。
まあ、物理学の素養がないので当然ではありますが・・・。
とはいえ、興味深い説明・コメントは数多くあったので、その中のいくつかを覚えとして記しておきます。
まずは、現在の物理学のステージについてです。
これはホーキング氏の説明を待つまでもなく言われていることですが、二つの基本理論から統一理論への途上にあるとの認識です。
(p32より引用) 現代では、科学者たちは基本となる二つの部分的な理論の観点から宇宙を説明しています。それは一般相対性理論と量子力学です。・・・一般相対性理論により重力、そして宇宙の巨大構造・・・が明らかとなっています。他方で、量子力学は・・・非常に小さなスケールでの現象を扱っています。
しかしあいにくなことに、これら二つの理論は互いに矛盾していることが知られています。・・・現在、物理学ではそれら二つの理論両方を取り入れる新しい理論、すなわち重力についての量子力学を探すことに主な努力が払われています。
重力についての量子論、いわゆる「統一理論」はまだ確立していませんが、ホーキング氏は、多くのその理論の特徴はわかってきていると述べています。たとえば、
(p166より引用) ファインマンの経歴総和法をアインシュタインの重力場に適用すると、粒子の歴史が、宇宙全体の歴史を表す曲がった全時空に対応します。
???・・・何のことでしょう???
一生懸命理解しようとしたのですが、やはり私には全く分かりません。(もちろん量子力学も相対性理論もキチンと勉強していないのですから当然ですが、それにしても・・・)
この本が一般書としてベストセラーになるというのは、何ともすごいことですね・・・。
私と同列のように語るのは大変失礼な物言いではありますが、現代の哲学者も「宇宙」は思索の対象外と考えはじめたようです。
(p233より引用) 哲学者は、科学理論の進歩についていくことができていません。18世紀においては、哲学者は科学を含む人類の全知識は自分たちの領域であると考えており、宇宙には始まりがあったのかといった疑問について論議していました。しかしながら、19、20世紀になると、科学は哲学者にとって、そして一部の専門家を除いて誰にとっても、あまりにも技術的で数学的になりました。哲学者は彼らの探求範囲を減らしてしまい、20世紀において最も有名な哲学者であるウィトゲンシュタインは「哲学者にとって唯一残された仕事は言語の分析である」と述べています。アリストテレスからカントまでの哲学の偉大な伝統からの、何と言う落ちぶれぶりでしょう!
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