レビュープラスというブックレビューサイトから献本されたので読んでみました。
対人営業の実践的How to本です。
40歳過ぎまで技術職だった著者は、家庭の事情から生命保険の営業マンに転職しました。そして試行錯誤の末、「お客様からの紹介を最重要視する」という営業姿勢を徹底することにより、素晴らしい営業成果を上げ続けることができるようになりました。
開陳されているHow toのいくつかは、取り立てて珍しいものではなく、多くのこの類の本でも語られているものです。
たとえば、「話し上手よりも聞き上手」を説く「傾聴の姿勢」もそうです。
(p75より引用) うまく聴くというのは、自分が聴きたい情報を引き出すことではありません。そんなことを聴いたところでお客様の満足度は少しも高まりません。
相手がしゃべりたいことを存分にしゃべっていただき、「話したいことはすべて話した」という達成感をもってもらう。それが「うまく聴く」ということです。
そのとおり、至極当然です。ただ、著者の場合はその「目的」が「紹介を得るため」という一点にフォーカスされているところがユニークなのです。
お客様の満足度を高め好意的な関係性を築くことが、営業マンとしての信頼感を得ることにつながりますし、お客様からの話の中から、紹介していただく候補のヒントを見出すこともできると考えるのです。
著者の商談の最後は、「アンケート」でクローズされます。
このアンケートの構成や内容にも、著者による工夫が詰まっています。
アンケートの最後の記述欄には、
「保険に入る方ではなく、この様な保険の知識を伝えたい方はいらっしゃいますでしょうか?」
と書かれています。この問いかけで、何人かの知り合いの名前をお客様自身に記入してもらうのです。
ともかく「保険」に関心のあるお客様を効率的に捕まえることが第一です。「契約を取る」ことを前面に出すのはNG。「契約の勧誘」をギラつかせると紹介者の方に大きなプレッシャを与え、結果、お客様は知り合いを紹介することに躊躇してしまうのです。
この、著者の営業の生命線である「紹介」ですが、なぜ、お客様は自分の知り合いを「紹介」してくれるのでしょうか?
この点について、著者はなかなか面白い意見をもっています。自分の担当営業マンに知人を紹介することは、お客様自身にもメリットがあるというのです。
(p131より引用) お客様にとって紹介のメリットはなにかといえば、営業マンが退職することなく長く担当してくれるということです。
お客様の紹介により担当営業マンの営業成績が向上すると、営業マンの生活が安定し、長く(自分を)ケアしてくれるというのですが、ここまでお客の側が考えるかといえば、「?」ですね。ただ、とはいえ、著者の努力で多くの紹介者をゲットしているのは紛れもない事実のようですが・・・。
さて、本書を読んで改めて感じる「成功の鍵」は、シンプルであり普遍的です。
ともかく、いろいろな気づきをまずは「実行」するという姿勢ですね。
(p112より引用) 本書を読んで少しでも「いいな」と思ったことは、「そのうち試してみよう」ではなく、今日からすぐに実践してほしいのです。
「やってみる」、これがすべてのスタートです。
「実行」してみて、うまくいかなければ止めればいい、どんな素晴らしいアドバイスであっても「実行」しなければ、何も起こりません。「素直さ」「謙虚さ」は、強力な営業力です。
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