いつも利用している図書館の新着本リストで「東京藝大で教わる西洋美術の謎とき」というタイトルの本が目についたのですが、調べてみるとその本の前に同じ著者佐藤直樹さんが1冊上梓していました。
私は “美術” 関係はまったくの素人なので、どうせなら “はじめの一歩” の本からトライしてみようと手に取ってみたのが本書です。
入門書的な本だといっても「はじめに」によると、佐藤さん(准教授)が東京藝術大学で講義している「美術史概説」の授業をまとめたものとのこと。
本書の冒頭、佐藤さんは “美術鑑賞への第一歩” としてその道筋をこう示しています。
(p2より引用) 時代順に作品を並べていく通史的な見方をとらない本書は、私の興味に「偏った」作品選択がなされています。バランスよく作品を知るより、個々の作品に対する具体的なアプローチを学んだほうが、実は美術鑑賞のコツを得るには手っ取り早いのです。通史を頭に入れるようなことはもうやめて、個別の作品鑑賞が全体を見通す力となることを感じてみてください。
まずは、美的感覚に強いインパクトを与える “現物” にしっかり相対するということですね。
ただ、このアプローチ方法は、私のような “本物のド素人” にはそれほど効果的でななかったようです。
もちろん、それは “私自身の美術に向かう水準点” があまりに低すぎたことが原因で、本書の解説内容を徒に過小評価するものではありません。佐藤さんの指導内容を理解できたかといえばそんなに甘いものではありませんでしたが、それでも理解に至らずとも興味深く感じたところは多々ありました。
そもそも本書は、東京藝術大学で実際に行われている講義に基づいて作られたものですから、ターゲットとなる対象者(読者)に、私はミスマッチだったということに尽きるのです。
まあ、それでも正直な思いをいえば、超初心者も手にしうる入門編はやはり “誰でも知っている超ポピュラーな作品” を取り上げて、それを材料に専門的な知見を披瀝していただいたほうがありがたかったですね。
そのあたりの期待もこめて、「東京藝大で教わる西洋美術の謎とき」にもトライしてみようと思います。
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