OMOI-KOMI - 我流の作法 -

For Ordinary Business People

〔ドラマ〕JIN-仁- 完結編

2024-08-15 09:23:16 | 映画

 2011年、TBS開局60周年記念番組として放映されました。

 先に、第1期に相当する「JIN-仁-」を観ていますが、こちらはその続編です。

 第1期でも村上もとかさんの原作との相違点はそこそこありましたが、完結編はさらに大きく展開を変化させています。
 もちろん、コミックの映像化にあたっては普通にありうることですし、原作者も了解のうえでしょうから、それぞれに楽しむことになりますね。

 こういうタイムトラベル系の物語はどこかで構成上の矛盾を招くので、それを含め印象的なラストを描けるかが腕の見せ所になりますが、この作品の場合、最後の辻褄合わせが少々性急だったように感じました。

 あとは、最後の最後に加えられたシーンの意味。単なる “次の出会い” の暗示でしょうか・・・。

 

 

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宇宙の哲学 (伊藤 邦武)

2024-08-12 19:30:19 | 本と雑誌

 いつも利用している図書館の新着本リストで、タイトルに惹かれて手に取ってみました。

 第一印象はちょっと難しそうに思いましたが、ともかくチャレンジです。

 と、威勢だけはよかったものの、結果は惨憺たるものでした。予想通り、数々の興味深いテーマについて解説されていたのですが、正直なところ私にはまったく理解できませんでした。

 たとえば、「第一講 コスモロジーの自立」で記された “ニュートン力学の意味づけ” について説明しているくだりです。

(p18より引用) 『プリンキピア』で打ちたてられた力学の三法則や万有引力の法則は、世界全体をいわゆる機械論的な観点から分析するならば、必ずや認められるであろう現象の法則的性質を、数学の言語で正確に表現したものです。そして、これらの法則を表現する方程式に現れる変数が示す「時間」や「空間」は、この世界の一切の現象がそれを尺度にして語られる根本的な座標軸を意味しています。ガリレイやケプラーの成果を踏まえたニュートンの力学の完成は、それゆえ、単に物理学上の革命である以上に、「科学的世界像」というものの明確な確立という意味で、哲学的な革命という性格をもっていたというべきでしょう。

 少々長い引用になりましたが、御覧のとおり、この部分は「それゆえ、単に物理学上の革命である以上に、「科学的世界像」というものの明確な確立という意味で、哲学的な革命という性格をもっていたというべきでしょう」というフレーズで結ばれています。恥ずかしながら、早々とこの箇所以降、著者の解説についていけなくなりました。

 

 自分の理解が及ばないところを書き留めておくのは無意味だとは思いますが、その情けなさを印づける意味でも、もう1か所引用しておきます。
 「補講 パースの宇宙論」、哲学における “カテゴリー論” を “宇宙論” に展開した解説部分です。

(p148より引用) したがって、このカテゴリー論を、「カオスからコスモスへ」という先に出てきた進化論的宇宙論の基礎的なモチーフに重ねてみると、宇宙のこの進化の過程とは、第一性のみの世界から第三性に支配された第二性の世界への移行ということになる。つまり、あらゆる確定性、法則性を免れた混沌の世界から、第三性としての法則性が成長することによって、あらゆる事実が法則に従ったかたちをとって生じるような第二性となる世界への移行というのが、この宇宙全体のもっとも大規模な進展の論理である、ということになるわけです。

 “?????・・・・”、そもそもこの書籍、哲学の基礎的な素養のない私が安易に手を出せるような内容の著作ではなかったようです。
 久しぶりに “全く手も足の出ない相手” に出会いました。

 

 

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〔ドラマ〕JIN -仁-

2024-08-10 19:06:10 | 映画

 村上もとかさんの人気コミックを原作にして、2009年10月からTBS系「日曜劇場」枠で放映されたテレビドラマです。

 ドラマ化するにあたってオリジナルヒロインを追加していますが、これが(珍しく)大成功でしたね。
 その成功要因の多くは、ヒロインを演じた中谷美紀さんによるところでしょう。彼女の凛とした花魁姿は、そのキャラクターの潔さともに、とても印象的でした。

 かなり前に原作コミックも読んでいて、そちらもよくできた作品だと感じ入りましたが、連続ドラマという形式で映像化しても、それぞれに見事な出来栄えだったと思います。

 

 

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魔女の盟約 (大沢 在昌)

2024-08-07 20:53:06 | 本と雑誌

 いつも聴いている大竹まことさんのpodcast番組大沢在昌さんがゲスト出演していて最新作を紹介していました。

 大沢さんの代表的な作品である “新宿鮫シリーズ” はほとんど読んでいるのですが、この “魔女シリーズ” は初めてでした。お話を聞いていてその主人公の設定にちょっと興味を持ったので、先日まずは第1作目「魔女の笑窪」を読んでみました。
 読んでみた印象は正直なところ “並” だったのですが、ストーリーにも連続性があるということで、第2作目にも手を出してみたという次第です。

 小説なのでネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、1作目よりも主人公をはじめ登場人物が活き活きしているように感じました。
 その分、人物の相関関係や組織が少々込み入っていてまどろっこしいところもありましたが、ラストに向かってのアップテンポな展開はスリリングでしたね。一昔前の “ハードボイルド” 路線の作品です。

 1作目は沈鬱なトーンで今一つ響かなかったのですが、この感じなら、とりあえず第3作も読んでみようと思います。

 

 

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〔映画〕MINAMATA-ミナマタ-

2024-08-06 23:39:29 | 映画

 

 2020年(日本では2021年)に公開されたアメリカ映画です。

 ジョニー・デップの制作・主演の作品で、とてもメッセージ性の高い内容です。

 実在した人物や実際に甚大な被害をもたらした公害事件をモチーフにしたものだけに、純粋ドキュメンタリーではない形で映画化するのは、大きなチャレンジだったでしょう。

 もちろん、シナリオに起こすにあたっては史実とはことなる演出も加えられていますから、そのあたりの適否の評価は分かれるところだと思いますが、私の率直な感想をいえば、過度なセンセーショナルな見せ場を際立たせるのではなく、しっかりと抑制の効いた作りに徹していてよかったですね。

 キャスティング面では、特にビル・ナイさん、國村隼さんの円熟の演技は印象的でした。

 

 

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あっぱれ! 日本の新発明 世界を変えるイノベーション (ブルーバックス探検隊・産業技術総合研究所)

2024-08-05 13:27:54 | 本と雑誌

 

 日本経済新聞のサイトで紹介記事があったので、気になって手に取ってみました。

 ここ数十年の日本産業界の衰退ぶりは顕著ですが、それでも地道な研究開発の営みは続けられています。

 本書では、日本の代表的な公的研究機関・産業技術総合研究所における多彩な成果が紹介されていますが、その中から私の興味を惹いたものをひとつ書き留めておきます。

 マルチマテリアル研究部門セラミック組織制御グルー プ 研究グループ長の福島学さんが取り組んでいる「熱伝導率の低いレンガ」の製造
 その過程で「不規則な孔」の発生を抑える技術が必要になりました。その解決策として浮かんだのが、北海道センターで行われていた「不凍タンパク質」の研究でした。

(p69より引用) その担当をしている研究者に福島さんが連絡を取ると、こう言われて歓迎されたという。
「不凍タンパク質が、ほかの想像もつかない分野で使える日がいつか来ると思っていました」
 生物分野で開発した技術が、セラミックスという素材分野で活かされる――。まさに研究者冥利 に尽きる瞬間だろう。

 研究開発の成果が花開く道のひとつは、こういった “発想の出逢い” かもしれません。

(p72より引用) 「技術はどこかで廃れることなく、誰かが別の用途で蘇らせてくれるものなんです」

 そうですね、私もそう思いますし、そうであって欲しいですね。

 そして、研究開発の醍醐味を研究者自身が語っているくだり。「音楽情報処理」をテーマに研究を続けている情報技術研究部門主席研究員後藤真孝さんの言葉です。

(p191より引用) 「基礎技術をつくっただけでは、一般の人々に直接使ってもらうことはできません。そこで、技術で未来を切り拓くために、応用技術としてインタフェースも開発したうえで技術の使われかたを提案したり、サービスとして一般公開することで技術を直接利用可能にしたりする研究開発に挑戦しています。そうすることで、われわれの技術がもつ幅広い可能性を、産業界も含めたさまざまな方々と一緒に考えていくことが可能になるからです」

 この研究開発から実用化に至るプロセスにおいて直面する障害は、研究者にとって、遥か以前から “死の谷” “キャズム” などの名前で呼ばれていた究極の課題ですね。

 本書を読み通して、この課題を克服するひとつのヒントが、「産業技術総合研究所」という “基礎研究の総本山” の存在にあるように思いました。
 研究テーマ同士、研究者同士の “セレンディピティ(Serendipity)” が実用化へのブレイクスルーになることを大いに期待したいものです。

 

 

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〔映画〕藁の楯

2024-08-03 22:58:50 | 映画

 

 2013年に公開された日本映画です。

 小説が原作とのこと、映画化された際に手を入れたのかもしれませんが、正直、かなり雑な作りだと思います。

 奇抜な発想は面白いチャレンジですが、それを活かし切れなかったようです。
 “万人向けエンターテーメント” に向かうのであれば、平凡で意味不明な襲撃方法ではなく、もっと意表を突いた工夫を加えるべきですし、“社会派サスペンス” 的に仕上げるのであれば、殺人教唆とラストの想定内のセリフで幕を引いてはまずいでしょう。

 ともかく、いずれを目指すにしても、安易に意味のない犠牲者を織り込むのは、かえって興覚めしてしまいます。

 

 

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〔映画〕われらが背きし者

2024-08-02 20:09:19 | 映画

 

 2016年に制作されたイギリス映画です。

 ジョン・ル・カレの小説が原作ということで観てみました。

 派手なアクションシーンや奇抜な展開はありません。落ち着いた流れで物語は進んでいきます。
 サスペンスタッチのストーリーや映像でみせるのというよりは、登場人物の枠割に応じた行動や心理描写に重きをおいた作品ですね。

 その点では、キャスティングが肝になりますが、 ユアン・マクレガーとナオミ・ハリスの主人公夫妻はそれぞれのキャラクタの違いをうまく醸し出していましたし、どこかで見た顔のステラン・スカルスガルドもその渋い役回りにマッチしていました。

 

 

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〔映画〕96時間

2024-08-01 13:02:07 | 映画

 
 2008年に制作されたフランス・アメリカ合作映画です。
 
 主演はリーアム・ニーソン、脚本はリュック・ベッソン。ストーリーはとても単純で一本調子ですが、展開が小気味よく、映像と音楽のマッチングも私好みでした。
 
 力任せのドンパチアクションではありませんが、主人公は結構強引に動き回ります。
 ただ、予定調和的に都合よくHappy endに落ち着くところが、ホームドラマ的でもあり、安心して楽しめるエンターテインメント作品だということですね。

 

 

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