JR 博多駅から南西方向に1キロちょと歩いた所に、車が2台すれちがうのにやっとの美野島商店街があります。その通りの中ほどの交差点の角に、かどやさんという昭和の雰囲気を残した食堂があります。かどや食堂を背にして交差点の反対側を見ると、美野島たいやきの白いのぼりがたっています。美野島商店街をまっすぐ歩いていては、この店を見逃してしまいます。ポイントはかどや食堂です。
美野島鯛焼 きんぎょ に入ると、薄暗い店内はシンプルなつくりで、これが僕の感じるたい焼き屋のスタイルです。ここのたい焼きメニューは、黒あん・白あん・チョコ・クリームの4種類。これが老若男女と幅広く指示されるたい焼きベスト4ですね。ところが、美野島鯛焼 きんぎょ のたい焼きのメニューの中に、聞いた事の無い「あんたーど」という物が有りました?他のたい焼きが140円なのに、こんのあんたーどは160円。どこのたい焼き屋さんにも定番メニューの他に、季節限定や特別メニューが存在します。
さてたい焼きを買うわけですが、やはり気になるのがあんたーどです。言い馴れない名前なので、注文する時「あ、あんた~どお願いします」とちょっと緊張。すでに残り少ないたい焼きを、袋に入れてくれました。そして手渡され紙袋を手にして、お店を後にしました。
美野島商店街を歩きながら、袋の中からあんたーどを取り出しました。美野島鯛焼 きんぎょの店内が薄暗かったので、たい焼きを良く見ていませんでしたが、日差しの下でこのたい焼きを見ると、天下のたい焼とは違って、たい焼きの皮の表面が奇麗でない?夏、日焼けした数日後に、皮がむけ始めた時のようです。とりあえずたい焼きの頭にかぶりついてみました。すると・・・うっなんだろう!この食感は?薄皮なのでなんとなくパリッとした食感ですが、でもよくある薄皮たい焼きの皮とは違います。僕もこの食感は初めての体験です。それに加え、たい焼きの皮に甘さがある?なんだろうと思いながらたい焼きを見ていると、このたい焼きの皮の汚さ(あえてこのような表現をしました)とこの甘さを考えると、あくまでも憶測ですが、たい焼きの表面にカラメルを付けて焼いているのかな?だからパリッではなくサックでもなく、う~表現が難しい。
そしてもう一つ驚きました。たい焼きの中が、あんことカスタードの二層になっている事です。なるほど・・・。だからあんことカスタードで、あんたーどという事ですね。あんこもカスタードも味は既に知っていますが、この2種類が一緒になると、変わった味ではなく意外と合います。甘さもそれなりに甘いけれど、嫌な甘ったるさはなく、和菓子と洋菓子の美味しさの交わった贅沢な味です。
この美野島鯛焼 きんぎょ のたい焼きは、皮の食感といい、たい焼きの中身といい、どれをとってもはじめてで、いい物を発見したと思いました。数多くのたい焼き屋さんを見てきましたが、どこのお店も試行錯誤し皆さん努力してますね。
※ 残念ながら、2016年7月に閉店されました。
独特な食感の生地のたい焼き、ありがとうございました。
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