川内村讃歌
東日本大震災から2年が過ぎた。
故郷を追われ、異郷の地に暮らす人々にとっては2年の歳月は長過ぎたのだろう。
生まれた子供も2歳になれば歩き始める。
若い人たちにとって、先の見えない不安定な生活は、将来の希望を託す設計を立てることができない。
高齢者に「仮設の生活」は、辛く厳しい現実を突き付け、生活再建の目途(めど)も立たず、
運動不足やストレスで、日増しに体力の衰えを感じざるを得ない。
こんな環境にあっても、子どもたちは避難先の学校に通い、新しい友達を作っていく。
だからこそ、大人たちは子どもたちの健全な成長を願い、
将来を担って立つ子どもたちに安全な環境を提供しなければならない責任と義務がある、と考える。
故郷は、その地で暮らした人々には、強い絆で結ばれたかけがえのない心の支えになっている。
「震災から2年近くが経ち、新しい土地で生活する気持ちも強くなり、容易に戻れない状況がある。
避難を続ける村民のサポートを続け、新たな住民も受け入れて5千人の村を目指す」と、
遠藤雄幸川内村村長の視点は村民に優しく、ぶれることがない。
「5千人の村を目指す」と遠藤村長は、ビジョンを語るがこれは大変なことです。
住民基本台帳によれば、今年3月1日の人口は2787人である。
過疎化の傾向は少子高齢化によって、一層の人口減を招き、
3.11の原発事故以降、転出する者も多く、人口減少に拍車がかかっている。
それでも、「魅力ある村づくり」を推進し、人口5000人の村を目指す姿勢は敬服に値する。
復興計画も具体的で現実性がある。
村民の「帰村」を促す一方、村民以外の住民の呼び込みも図る。
誘致した企業の募集対象を、4月の新年度からは村民以外にも拡大。
村で初めての賃貸アパート棟も建設中である。
特別養護老人ホームは村民以外の利用も認める。
ほかの避難自治体の住民に入居してもらうための復興住宅の建設も進めている。
頑張れ ! 川内村。