雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

「仮面舞踏会後の決闘」ジャン・レオン・ジェローム ① 不思議な感覚に囚われる

2019-01-18 17:30:00 | つれづれに……

「仮面舞踏会後の決闘」 ジャン・ レオン・ジェローム
              ① 不思議な感覚に囚われる


(仮面舞踏会後の決闘)
1857年制作 油彩 68×99㌢
 それ程大きな絵ではない。
 だが、この絵をじっと見つめていると、なぜか見えない呪縛にあったような
 不思議な感覚に囚われる。
 
 一体何があったのか?
 想像力を喚起し、
 見る者を「物語」の世界に引き込んでしまう雰囲気を醸し出している絵だ。

 宮廷で行われる華やかな仮面舞踏会。
 貴族たちが競って趣向を凝らす。
 華やかな会場で繰り広げられる「仮面舞踏会」。
 宮廷音楽たちの演奏。
 豪華な晩餐。
 だが、この異様な雰囲気の中で、仮面を被った者同士のトラブルも多かったに違いない。
 トラブルはやがて仮面の下に隠された意地の張り合いになり、
 当時はやっていた「決闘」へと発展してしまう。
 投げられた手袋を拾わなければ、卑怯者になってしまう。
 周りの者の無責任な喝采に煽られ、それぞれに立会人が付き
 意地と名誉をかけて、「命のやり取り」が行われる。

 この絵は、そうした「名誉のための決闘」の愚かしさを描いて
 見る者をとりこにするのでしょうか。
                          (つづく)
           
 次回はこの絵の物語性と鑑賞の手引き等をアップします。
 (2019.1.18記)     (つれづれに……心もよう№88)

























 

   

コメント
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