ブラット・ピット主演、ベネット・ミラー監督、『マネーボール』、11月13日、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野にて鑑賞。2011年42本目。
映画『マネーボール』は、2011年に観た映画の中で一番完成度の高い作品ではないか、と思います。
派手なシーンこそないものの、的確な演出によって、観る者に深い普遍的感動を与えてくれます。
何より主役であるビリー・ビーンを演じたブラット・ピットがいい!
自分はこれまでブラット・ピットは勢いだけで突っ走る筋肉脳みその役か(『ファイト・クラブ』や『スナッチ』など)、もしくは物静かで繊細なイケメン役(『リバー・ランズ・スルー・イット』や『ベンジャミン・バトン』など)しか印象に残っていなかったので、本作の彼を見て、いつの間に演技派に開眼したのか、と驚かされました。
老若男女、誰にでもお薦め出来る感動作だと思います。
さて、本作は実在の人物が主人公の、実話を元にした作品です。
この映画を観た人は、2002年の大リーグでは、こんな劇的なことが起こっていたのか、と思われたかもしれませんが、それは違います。
なぜなら、「実話を元にしている」ことと「実話である」ことはイコールではないからです。
例えば、本作においてビリーのアドバイザーとなるピーター・ブランド(これまでコメディ畑で活躍していたジョナ・ヒルが好演!)、彼は架空の人物です。
つまり、ピーターが出てくるシーンはすべて脚本家であるスティーヴン・ザイリアンとアーロン・ソーキンの創作であり、ビリーとブラントの会話も同じことが言えます。
本作は実話を元にしていても、基本的にフィクションであると言ってよいでしょう。
2011年は、多くの「実話を元にした」映画が公開されました。
思い出しただけでも、『ソーシャル・ネットワーク』、『英国王のスピーチ』、『127時間』、『50/50』etc。
映画会社はそれらの映画のほとんどを「感動の実話の映画化!」と宣伝で謳い、観客はその映画を観て、「こんな奇跡的なことが現実に起こったのか!」とか「あの出来事の舞台裏ではこんなことがあったのか!」と驚き、感動する。
でも自分は、その映画が面白いかどうかということと、その映画が実際の出来事を正確に再現しているかどうかということはは、ほとんど関係がない、と思っています。
むしろ、実話をそのまま正確に映像化したところで面白い映画などできるはずはない、とすら思います。
事実のある部分を強調し、省略し、ときに実際にはないエピソードを加え、必要とあれば架空の人物を登場させる、そしてようやく面白い「実話を元にした」映画が出来るんじゃないでしょうか。
そういった映画の見方って、ひねくれてるんじゃないだろうか、って自分でも思ったりしたこともあるのですが、映画『マネーボール』を観て、そういう見方も間違ってないんだ、少なくともありなんだ、そう思えて、気分が楽になりました。
これからも、「実話を元にした」映画を、そのことを評価の基準にすることなく、観に行きたいと思います。
お気に入り度は★★★★、お薦め度は★★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
映画『マネーボール』は、2011年に観た映画の中で一番完成度の高い作品ではないか、と思います。
派手なシーンこそないものの、的確な演出によって、観る者に深い普遍的感動を与えてくれます。
何より主役であるビリー・ビーンを演じたブラット・ピットがいい!
自分はこれまでブラット・ピットは勢いだけで突っ走る筋肉脳みその役か(『ファイト・クラブ』や『スナッチ』など)、もしくは物静かで繊細なイケメン役(『リバー・ランズ・スルー・イット』や『ベンジャミン・バトン』など)しか印象に残っていなかったので、本作の彼を見て、いつの間に演技派に開眼したのか、と驚かされました。
老若男女、誰にでもお薦め出来る感動作だと思います。
さて、本作は実在の人物が主人公の、実話を元にした作品です。
この映画を観た人は、2002年の大リーグでは、こんな劇的なことが起こっていたのか、と思われたかもしれませんが、それは違います。
なぜなら、「実話を元にしている」ことと「実話である」ことはイコールではないからです。
例えば、本作においてビリーのアドバイザーとなるピーター・ブランド(これまでコメディ畑で活躍していたジョナ・ヒルが好演!)、彼は架空の人物です。
つまり、ピーターが出てくるシーンはすべて脚本家であるスティーヴン・ザイリアンとアーロン・ソーキンの創作であり、ビリーとブラントの会話も同じことが言えます。
本作は実話を元にしていても、基本的にフィクションであると言ってよいでしょう。
2011年は、多くの「実話を元にした」映画が公開されました。
思い出しただけでも、『ソーシャル・ネットワーク』、『英国王のスピーチ』、『127時間』、『50/50』etc。
映画会社はそれらの映画のほとんどを「感動の実話の映画化!」と宣伝で謳い、観客はその映画を観て、「こんな奇跡的なことが現実に起こったのか!」とか「あの出来事の舞台裏ではこんなことがあったのか!」と驚き、感動する。
でも自分は、その映画が面白いかどうかということと、その映画が実際の出来事を正確に再現しているかどうかということはは、ほとんど関係がない、と思っています。
むしろ、実話をそのまま正確に映像化したところで面白い映画などできるはずはない、とすら思います。
事実のある部分を強調し、省略し、ときに実際にはないエピソードを加え、必要とあれば架空の人物を登場させる、そしてようやく面白い「実話を元にした」映画が出来るんじゃないでしょうか。
そういった映画の見方って、ひねくれてるんじゃないだろうか、って自分でも思ったりしたこともあるのですが、映画『マネーボール』を観て、そういう見方も間違ってないんだ、少なくともありなんだ、そう思えて、気分が楽になりました。
これからも、「実話を元にした」映画を、そのことを評価の基準にすることなく、観に行きたいと思います。
お気に入り度は★★★★、お薦め度は★★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。