ジェフリー・ディーヴァーという作家がいます。
この人は出す作品出す作品、そのほとんどにドンデン返しが仕掛けている、いわば「ドンデン返し職人」です。
しかしドンデン返しっていうのは予期しなかったときに炸裂するからこそこちらも「えぇ~~~!?」って驚かされるものですから、最初からドンデン返しが待ち受けているとわかっていれば、そこまで驚くってことありません。
例えて言えば、その角を曲がったところにあなたを驚かそうとしている人がいますからね~と事前に知らされるようなものです。それで驚け、って言われてもなかなか難しいものがあります。
そのことはディーヴァー自身充分わかっていると思うんですよ。
しかしそれでもなお自らの作品にドンデン返しを仕掛けずにはいられないのではないでしょうか。
その愚直とさえいえるディーヴァーの創作スタイル、自分は嫌いではありません。
今後もこの路線を突き進んで欲しいものです。
さて、そんなディーヴァーの最新作が『007 白紙委任状』です。
ディーヴァーがあのスパイ映画のノヴェライズを手掛けると聞いたときは意表を突かれましたが、まぁ日本でも京極夏彦が『こち亀』のノヴェライズを執筆したこともありますし、何より乙一版の『ジョジョ』は自分の中で乙一作品の中でもかなり上位に位置するので、洋邦問わず、人気作家がメジャーな作品のノヴェライズを手掛けることは珍しくないのかもしれません。
さて、このディーヴァー版『007』、イアン・フレミングの原作ファンには評判が悪いみたいですね。
いわくフレミングの作品に比べると、スケールが小さく、魅力に乏しい云々。
自分はフレミングの原作は未読ですが、ディーヴァーが意識したのはそちらではなく、現在もシリーズが続く映画の方ではないか、って気がします。
映画版の『007』は時代によって、監督によって、そしてもちろん主役のジェームズ・ボンドを演じる俳優によって、ずいぶん印象が違いますからね。
荒唐無稽なものもあれば、ユーモアに満ちたものもあり、陰鬱なものもある。
今は、明らかに後発のスパイ映画である『ジェイソン・ボーン』シリーズに影響を受けた、リアル・アクション路線と言えるんじゃないでしょうか。
それも悪くないのですが、同じ路線だと『ジェイソン・ボーン』シリーズに敵わないんじゃないかって気がします。あれはリアル・アクションの極限だと自分は思っているので。
ともかく、作品によってイメージが異なるのですから、ディーヴァーがフレミングの創作したボンド像をそのまま踏襲する必要はないと思います。フレミング的な作品にする必要もない。
だから、ディーヴァーがディーヴァーらしく、作品のクライマックスにドンデン返しを用意していて、自分は読んでいて、ニンマリとしちゃいましたけどね。
純粋に読み物として傑作!!とは残念ながら言えないとは思いますが、それまでディーヴァーの作品を読み続けてきたディーヴァー好きであれば充分満足できる作品なのではないでしょうか。
この人は出す作品出す作品、そのほとんどにドンデン返しが仕掛けている、いわば「ドンデン返し職人」です。
しかしドンデン返しっていうのは予期しなかったときに炸裂するからこそこちらも「えぇ~~~!?」って驚かされるものですから、最初からドンデン返しが待ち受けているとわかっていれば、そこまで驚くってことありません。
例えて言えば、その角を曲がったところにあなたを驚かそうとしている人がいますからね~と事前に知らされるようなものです。それで驚け、って言われてもなかなか難しいものがあります。
そのことはディーヴァー自身充分わかっていると思うんですよ。
しかしそれでもなお自らの作品にドンデン返しを仕掛けずにはいられないのではないでしょうか。
その愚直とさえいえるディーヴァーの創作スタイル、自分は嫌いではありません。
今後もこの路線を突き進んで欲しいものです。
さて、そんなディーヴァーの最新作が『007 白紙委任状』です。
ディーヴァーがあのスパイ映画のノヴェライズを手掛けると聞いたときは意表を突かれましたが、まぁ日本でも京極夏彦が『こち亀』のノヴェライズを執筆したこともありますし、何より乙一版の『ジョジョ』は自分の中で乙一作品の中でもかなり上位に位置するので、洋邦問わず、人気作家がメジャーな作品のノヴェライズを手掛けることは珍しくないのかもしれません。
さて、このディーヴァー版『007』、イアン・フレミングの原作ファンには評判が悪いみたいですね。
いわくフレミングの作品に比べると、スケールが小さく、魅力に乏しい云々。
自分はフレミングの原作は未読ですが、ディーヴァーが意識したのはそちらではなく、現在もシリーズが続く映画の方ではないか、って気がします。
映画版の『007』は時代によって、監督によって、そしてもちろん主役のジェームズ・ボンドを演じる俳優によって、ずいぶん印象が違いますからね。
荒唐無稽なものもあれば、ユーモアに満ちたものもあり、陰鬱なものもある。
今は、明らかに後発のスパイ映画である『ジェイソン・ボーン』シリーズに影響を受けた、リアル・アクション路線と言えるんじゃないでしょうか。
それも悪くないのですが、同じ路線だと『ジェイソン・ボーン』シリーズに敵わないんじゃないかって気がします。あれはリアル・アクションの極限だと自分は思っているので。
ともかく、作品によってイメージが異なるのですから、ディーヴァーがフレミングの創作したボンド像をそのまま踏襲する必要はないと思います。フレミング的な作品にする必要もない。
だから、ディーヴァーがディーヴァーらしく、作品のクライマックスにドンデン返しを用意していて、自分は読んでいて、ニンマリとしちゃいましたけどね。
純粋に読み物として傑作!!とは残念ながら言えないとは思いますが、それまでディーヴァーの作品を読み続けてきたディーヴァー好きであれば充分満足できる作品なのではないでしょうか。