この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

久しぶりにティム・バートン節炸裂!!『フランケンウィニー』。

2012-12-23 17:14:23 | 新作映画
 ティム・バートン監督、『フランケンウィニー』、12/23、TOHOシネマズ天神にて鑑賞。3D字幕版。2012年48本目。


 何だか久しぶりにティム・バートンらしい映画を観た気がします。
 別段寡作というわけではないので、彼の作品は毎年のように公開されるんですが、近作には彼らしさがなかったように思うんですよね。
 ティム・バートンらしさって何かというと、人によってはシュールな世界観や奇妙な登場人物だったりすると思うんですが、自分的には、異形の者たちへの優しさに満ちた視線、かな。
 人と見た目が違う者が心無い人たちから差別や迫害を受け、過酷な目に合うが、それでも懸命に生きていく、みたいな?初期の『シザーハンズ』や『ナイトメア・ビフォー・クリスマス』にはそれがあったと思うんですよね(もしかしたら『シザー~』や『ナイト~』にしかないのかもしれないけど)。
 それが近作ではシュールな世界観や奇妙な登場人物は相変わらずなのだけれど、異形の者への優しさがまったく感じられなくて、そのことが一番顕著に感じられたのは前作『ダーク・シャドウ』でした。
 ジョニー・デップ演じる主人公がバーナバスが魔女のアンジェリークの呪いによって吸血鬼にされるんですけど、彼はその前にアンジェリークのことを散々弄ぶんですよね。しかもボロぞーきんのように捨てちゃう。
 そりゃ恨まれて、呪われて、命を狙われるのが当然だよ!!
 でも物語はすべてバーナバスの都合のいいように終わるんです。観ていて、全然納得できませんでした。アンジェリークの扱いがひどすぎる。
 こんな作品を続けて見せられるようではとてもティム・バートンにはついていけないなと思っていたところで観た本作に彼らしさを感じ取れて、正直ホッとしましたね。

 ただ、、、純粋に一本の映画として観た場合、本作は正直あまり褒められた出来ではないかな。
 例えば、本作では落雷によって生じた高圧電流によって死体が甦るんですけど、10年前ならいざ知らず、もしくは短編映画ならともかく、今どきの長編映画でそれはないなと思いました。
 だってそれだと雷が落ちるたびに何かが甦るってことになっちゃいますよね。

 あと、本作はティム・バートンが好きなのであろう、過去の様々な作品のオマージュが出てくるんですけど、それがあまりにもあからさまで感心しませんでした。
 オマージュってさりげなくやるからいいものであって、あのガ○ラはねぇ、ちょっとないよな、と思いました。

 そんなわけで作品としては高い評価は出来ませんが、久しぶりにティム・バートンらしい映画を観れたことには満足しています。


 お気に入り度は★★★、お薦め度は★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
コメント
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