この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

悪戯と悲劇。

2012-12-12 22:16:11 | 政治・経済・時事
 オーストラリアのラジオ局のパーソナリティが英国のエリザベス女王の声色を真似て電話をかけ、ウィリアム王子の妻キャサリン妃の病状を彼女が入院している病院から聞き出し、その時応対した看護婦が自殺してしまったことが大きな問題となっています。
 普段時事問題は取り上げないようにしているのですが、この件にはちょっと思うところがあるので書きます。

 こんなことを書くとすごい反発と非難を受けるかもしれないのですが、自分はそのパーソナリティがそれほど悪いことをしたとはどうしても思えないのです。
 エリザベス女王に成りすましたとはいっても、別段詐欺行為を働いたわけじゃなし、単なる悪戯心でやっただけですしね。

 もちろん、応対した看護婦が自殺してしまったことは最悪の悲劇ですが、でもそれはパーソナリティが予期しえたことではないはずです。
 それなのに看護婦の死の責任がすべてパーソナリティにある、とするのは無理があると思います。

 怖いな、と思うのはパーソナリティとラジオ局への凄まじいまでのバッシングです。
 曰く、あまりのレベルの低さに呆れてものも言えない、こんな企画をたてて放送している放送局なんて害悪でしかない、全世界から非難が殺到して解雇される事を切に願います、etc。
 読んでいて、胃が痛くなります。

 バッシングをしている人にちょっと聞いてみたいんだけど、あなたは生まれてから一度も誰かに対して悪戯を仕掛けたことはない?
 一度でもあるのだとしたら、そのとき、結果はすべて予測しえた?

 そしてこれが一番重要なことなのだけれど、人一人を結果として死に追いやって、そのパーソナリティは精神的に参っていると考えられるよね。
 その精神的に参っているであろうパーソナリティを徹底的にバッシングをしたら、自ら命を絶つかもしれない、とは考えない?
 もしそのパーソナリティが命を絶ったら、あなたはどう思う?
 人一人を死に追いやった人間はその罪を自らの命で贖うのが当然だ、そう考える?
 だったら、バッシングによって人を死に追いやったあなたは、何も罪を背負うことはないの?

 パーソナリティがかけた悪戯電話はくだらないし、到底褒められたことではないけど、あなたのやってるバッシングもそれと同じか、それ以下のものでしかないよ。
 パーソナリティが命を絶たなければよいけどね。
 あなたのために切に願うよ。
コメント (2)
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