この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

やっぱりさっぱりわからんかった!『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』。

2012-12-04 22:20:25 | 新作映画
 庵野秀明総監督、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』、12/1、TOHOシネマズ天神本館にて鑑賞。2012年45本目。


 12/1の映画サービスデーに今話題の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』を観てきました。
 本当は『ウーマン・イン・ザ・ブラック』か、『ドリーム・ハウス』あたりを観ようかと思っていたのですが、午前中に『007 スカイフォール』を観て、夕方からオフ会に参加するとなると、『ヱヴァ』ぐらいしか観るのがなかったのです。
 なぜあまり観る気がしなかったかというと、観たらどんな感想を抱くか、観る前からおおよそわかったから。
 たぶん、観たら「さっぱりわからんかった!」と思うだろうな、と思ってたら、まったくもってその通りで逆にビックリしましたよ。

 何でそんなふうに予想できたかというと、それは単純に事前にネタバレサイトをバリバリに読んでいたから。
 世の中には鑑賞前のネタバレを嫌う人もいますが、自分はまーったく気にしません。
 なぜなら真の傑作はネタバレを恐れるものではないと思っているから。
 ネタバレしたぐらいで面白さが半減する作品なんて所詮その程度のものだって思っています。

 話を『ヱヴァ』に戻すと、「さっぱりわからなかった!」し、「まったく面白くなかった」です。
 でも鑑賞者がそう受け取ることこそ作り手の、つまりは総監督である庵野秀明の狙いなのでしょう。
 あの作品を一度観ただけで完全に理解できる人がいるとも思えないし(というか、そもそも理解できるシロモノなのかどうかもわからない)、エンターティメント性を可能な限り排除した作品を観て「面白くない」と感じるのは人の感性としてごく自然です(何を面白いと思うか、人それぞれ違うものだとしても)。

 ただ、それでも観る価値はあったと思います。
 それに、賛否両論とはいえ、これほどエンターティメント性を排除した、観念的な作品がヒットするというのは個人的に非常に興味が深い。

 一般的に世の中が不況になると映画はエンターティメント性が高い作品がヒットすると言われています。
 まぁ映画を観ている間だけでも現実のつらさや厳しさを忘れたいということなのでしょう。
 しかし不況が長引き、閉塞感がどこまでも社会を覆うと、最終的に人々が求めるのは『ヱヴァ』のような作品なのかもしれません。
 作品の中の登場人物があれほどつらい目に合っているのに比べたら、我々の暮らしはまだマシと言えるのではないか?
 およそこれ以上ないってぐらいネガティブな思考であり、私はそんなことは思っていない!と反発する人もいるでしょうが、誰の心にもある真理と言えるのではないでしょうか。

 本作に続く新劇場版最終作『シン・エヴァンゲリオン劇場版:|| EVANGELION:FINAL』(たぶんこのタイトルは公開されるまでに確実に変更されるでしょうね。公開されればの話だけど。)は、本作に輪をかけて理解しにくく、エンターテイメント性が皆無で、観念的な内容となり、観る者を鬱にさせるものとなるでしょう。
 そういった作品がヒットするかどうかは、公開時の社会次第だと思いますが、、、好転する兆しのない日本経済を思うにつけ、本作以上に大ヒットするだろうな、と危惧せずにはいられません。

 
 お気に入り度は★、お薦め度は★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
コメント (4)
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