この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

加藤シゲアキの『オルタネート』が直木賞の候補作品に選出されたのは忖度だ!

2020-12-18 20:50:01 | 読書
 ジャニーズ事務所に所属する加藤シゲアキの新作小説『オルタネート』が第164回直木賞の候補作品に選出されたそうです。
 自分はそのニュースを目にして、へぇ、大したもんだなと感心したのですが、コメント欄の中には「忖度だ」「出来レースだろう」と言っている人もいて…。

 まず言いたいのは感想は自由だということです。
 なぜ感想は自由なのか?
 それは人それぞれ生きている人生が違うからです。
 生きている人生が違えば、何が面白いのか、何に感動するのか、何を美しいと思うのか、基準や価値観が異なるのは当然です。
 感想は決して否定されたり、強制されたりするものではありません。
 感想を否定したり、強制したりすることは、そのまま生き方を否定したり、強制したりすることに繋がります。
 人の生き方を否定したり、強制したりすることは決して許されることではないのです。

 ですから、『オルタネート』を実際に読んだ人が、つまらなかった、読む価値がなかった、と思うのは自由だと思います。
 しかし読んでもいない人が、読む価値がないに違いない、この作品が選出されたのは忖度だろう、と決めつけるのはどうでしょうか。
 そのような自由はない、ですよね。
 神ならぬ身であれば、読んでもいない作品を正当に評価することは出来ないはずです。

 一年間に出版される本は大量にありますが、その中で実際読める本はごくごく一部です。
 どの本を読み、どの本を読まないか、人それぞれ基準はあるでしょう。
 読まない本は読む価値がないと判断した、と言えるのかもしれません。
 ただそれは言うまでもなく絶対的に正しい判断なのかどうかはわかりません。

 自分は先日第一部が終了した『チェンソーマン』を歴史に残る傑作漫画と高く評価していますが、連載開始当初からそうだったわけではありません。
 藤本タツキは前作『ファイアパンチ』が意味不明な終わり方をしたので、『チェンソーマン』も連載が開始されてからしばらく放置していました。
 その超絶的な面白さを知ったのは三巻が発行された以降です。
 
 加藤シゲアキの著作は未読だったので、これを機に読んでみようかと思っています。
 いきなり『オルタネート』から、というのはハードルが(金額的に)高いので、まずはデビュー作である『ピンクとグレー』から読んでみます。
 この作家の作品をすべて読んでみたい、と思えるぐらい面白かったらいいんですけどね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする