この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

私たちの住む世界と地続きのSF映画である『ガタカ』。

2021-07-13 22:42:41 | 旧作映画
 突然ですが、宇宙人の存在を信じますか?
 宇宙人の存在を信じるかと尋ねられたら多くの方が「信じる」と答えるでしょう。
 そして「信じる」理由を尋ねたら、「宇宙は広いから」と答えるのではないでしょうか。
 宇宙は広いから宇宙人は存在する、何だかずいぶん論理の飛躍があるような気がしますが、言わんとするところはわかります。
 宇宙は広いのだから地球型惑星も多数存在する、であれば当然宇宙人も存在するはずだ、こんな感じじゃないかな。

 ではここで問題です。
 代表的な地球型惑星を一つ挙げよ。
 まぁ難しく考える必要はありません。
 代表的な地球型惑星といえば当然「地球」です。

 では第二問。
 その地球で生命が誕生したことは何度あるか?
 ここでいう「生命の誕生」とは、赤ちゃんがおぎゃーと生まれた、という意味ではなく、原始生命の誕生を意味します。
 原始生命はおよそ今から38億年前(諸説あり)この地球上に誕生しました。
 今から60年以上前、スタンリー・ミラーという学生がある実験をしました。
 原始生命が誕生した当時の地球を模した環境を作り、そこに放電したのです。
 実験の目的は生物の素材となるような成分ができるかどうか、でした。
 実験の結果がどうだったか、気になる方は検索されるとよいでしょう。
 以来多くの学者が同様の実験を試みましたが、我々人類は生命どころか細胞の一つ生み出せずにいます。
 生命が誕生したのは(おそらく)38億年前に一度切りです。
 この宇宙で生命が誕生する環境が最も整っていると思われるこの地球においてもそれは一度切りの奇跡だったのです。
 生命は環境が整っていたとしても容易には誕生しないのです。

 もちろん地球上で生命が誕生した以上、他の惑星で生命が誕生する可能性もゼロではありません。
 しかし仮に地球外生命体が誕生して、その生命体が地球以上の文明を築いていたとしても、彼らが地球にやってくることはありえません。
 なぜなら空間を跳躍したり、光速を超えることは不可能だからです。
 地球外生命体が存在する可能性は限りなく低く、いたとしても彼らが地球にやってくることはない、これが現代の科学の定説です。

 ですがSF映画で宇宙人を見かけることは珍しいことではありません。
 また宇宙船がワープすることも。
 SFは「サイエンス・フィクション」の略ですが、必ずしも現実の科学に準拠しているわけではないのです。
 私たちの住む世界の延長線上に『スター・ウォーズ』や『ターミネーター』は存在しません。
 ほとんどのSF映画がそうだ、といっても過言ではないと思います。

 ただし、ごく少数ですが、現実の科学に準拠した、いわば私たちの住む世界と地続きのSF映画もあります。
 その代表格が何と言っても『ガタカ』でしょう。
 同作はかつてもっとも現実的なSF映画としてNASAに選ばれました。
 『ガタカ』は監督であるアンドリュー・ニコルが生み出したフィクションですが、ただの「絵空事」とは切り捨てられないリアルさが魅力の一つなのです。
コメント
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