この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

モンスターVSエイリアン。

2009-07-11 20:14:10 | 新作映画
 『モンスターVSエイリアン』、7/11、ユナイテッドシネマキャナルシティ13にて鑑賞。2009年26本目。

 去年映画サービスデーで観た『カンフー・パンダ』が存外に面白く、またDVDで見た『モンスター・ハウス』もなかなか面白かったので、ドリーム・ワークスの作品もピクサーに負けずにやるじゃんと思って本作を観に行ったのですが、、、これは正直ダメだったかなぁ。

 まず何がダメだったかというと徹頭徹尾まったく可愛くないモンスターのデザインでしょうか。
 過去にもモンスターが主人公のアニメは『モンスターズ・インク』や『シュレック』などがありました。
 それらのアニメではモンスターは登場した時点では無気味に見えても、観ている間に次第に愛着が湧いてきて、最後の最後そのモンスターが危機に陥ったらいつの間にか応援している、そんな感じじゃないですか。
 『モンスターVSエイリアン』ではそういった感情の変化は一切なし。
 不気味でグロテスクで可愛くないモンスターたちが最後の最後まで不気味でグロテスクで可愛くないまま。
 ある意味こういったアニメも珍しいといえると思います。

 可愛くないのはヒロインの造型にもいえて、CGアニメに出てくる人間というものは得てしてディフォルメされがちですが、この作品のヒロインであるスーザンは一言でいってよく動くマネキン。
 人間って感じはしなかったなぁ。

 キャラクターのデザインがイマイチでもストーリーが面白ければ作品は楽しめるんでしょうけれど、それも正直パッとしませんでしたね。
 物語が成り行きで進んでるって感じで、少なくともよく練られた脚本だとは思いませんでした。

 思うにこの作品って3Dであることが何よりも最優先されて作られたのではないでしょうか。
 そう考えればキャラクターたちがともかくデカいこと(図体やら目玉やら動きやら)、唐突に始まるやたら派手な(だけの)アクション、B級ホラー映画並みにテキトーなストーリー展開にも納得出来るというものです。

 3D作品そのものを否定する気はないですが(映画製作会社も3Dに活路を見出しているのでしょう)、3D作品であることを最優先して、デザインやストーリーを二の次、三の次にするのは如何なものかと思います。
 今劇場で公開されている3D映画は、ホラー映画にしろ、アドベンチャー映画にしろ、ストーリーの中に無理やりアクションシーンを配しているといった感じで正直まともに評価出来る作品はほとんどないんじゃないかって思います。
 アクションシーンだけでなく、ストーリー展開でもハラハラドキドキできる3D映画を望むのは酷なんでしょうかねぇ。。。

 お気に入り度は★★、お薦め度は★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2009年劇場鑑賞映画一覧(六月末まで)。

2009-07-10 23:41:47 | 新作映画
 一時期落ちていた映画を観に行くペースも五月、六月と若干上り気味です。
 まぁ話題作が立て続けに公開されましたからね。
 夏場以降はまたペースも落ちることでしょう。

 こうして振り返ると今年はいつになくレヴェルの高い映画ばかりだなぁと思いますが(『シャッフル』はスカされた!と思ったけど)、それもやっぱり『ドラゴンボール・エボルーション』や『MW』といった地雷映画を避けているためでしょう。
 意識して地雷映画を観に行ってる人って本当にエライと思います。
 自分は真似できないので、これからも面白い(正確には面白そうな)映画だけを観に行きたいと思っています。 

 *リンク先は拙ブログのレビュー記事です。 

24.『トランスフォーマー:リベンジ』(6/20、Tジョイ久留米にて)
  お気に入り度は★★★、お薦め度は★★★☆

23.『レスラー』(6/13、TOHOシネマズ トリアス久山にて)
  お気に入り度は★★★★☆、お薦め度は★★★★

22.『ターミネーター4』(6/5、Tジョイ久留米にて)
  お気に入り度は★★★☆、お薦め度は★★★☆

21.『スター・トレック』(5/30、Tジョイ久留米にて)
  お気に入り度は★★★☆、お薦め度は★★★☆

20.『チョコレート・ファイター』(5/24、ソラリアシネマにて)
  お気に入り度は★★★★☆、お薦め度は★★★☆

19.『重力ピエロ』(5/23、Tジョイ久留米にて)
  お気に入り度は★★★★、お薦め度は★★★★

18.『おっぱいバレー』(5/4、ワーナー・マイカル・シネマズ上峰にて)
  お気に入り度は★★★★、お薦め度は★★★☆

17.『グラン・トリノ』(4/25、Tジョイ久留米にて)
  お気に入り度は★★★★、お薦め度は★★★★★

16.『スラムドッグ$ミリオネア』(4/18、Tジョイ久留米にて)
  お気に入り度は★★★★、お薦め度は★★★★

15.『レッドクリフ PartⅡ 未来への最終決戦』(4/9、Tジョイ久留米にて)
  お気に入り度は★★★☆、お薦め度は★★★☆

14.『ザ・バンク/堕ちた巨像』(4/4、Tジョイ久留米にて)
  お気に入り度は★★★★、お薦め度は★★★☆

13.『ウォッチメン』(3/28、Tジョイ久留米にて)
  お気に入り度★★★☆、お薦め度★★★

12.『フィッシュストーリー』(3/21、シネリーブル博多駅にて)
  お気に入り度★★★★☆、お薦め度★★★★☆

11.『チェンジリング』(2/21、Tジョイ久留米にて)
  お気に入り度★★★☆、お薦め度★★★☆

10.『エグザイル/絆』(2/14、シネテリエ天神にて)
  お気に入り度★★★☆、お薦め度★★★☆

9.『永遠のこどもたち』(2/14、KBCシネマにて)
  お気に入り度★★★★、お薦め度★★★★

8.『ベンジャミン・バトン/奇妙な人生』(2/7、Tジョイ久留米にて)
  お気に入り度★★★★、お薦め度★★★★

7.『シャッフル』(2/1、Tジョイ久留米にて)
  お気に入り度★☆、お薦め度★☆

6.『007/慰めの報酬』(1/17、Tジョイ久留米にて)
  お気に入り度★★★、お薦め度★★★☆

5.『GOTH』(1/10、ユナイテッド・シネマ福岡にて)
  お気に入り度★★★☆、お薦め度★★

4.『未来を写した子どもたち』(1/10、シネテリエ天神にて)
  お気に入り度★★☆、お薦め度★★★☆

3.『ヘルボーイ/ゴールデンアーミー』(1/10、ユナイテッドシネマキャナルシティ13にて)
  お気に入り度★★★★☆、お薦め度★★★★

2.『ミラーズ』(1/1、Tジョイ久留米にて)
  お気に入り度★★★、お薦め度★★★

1.『K-20 怪人二十面相・伝。』(1/1、Tジョイ久留米にて)
  お気に入り度★★、お薦め度★★★


 ★は五つで満点、☆は★の半分です。

 *2008年劇場鑑賞映画一覧

 *2007年劇場鑑賞映画一覧

 *2006年劇場鑑賞映画一覧
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

本格折り紙。

2009-07-09 23:39:33 | 読書
 この前天神に行ったとき大量に本を買いました。
 買ったのは『ふちなしのかがみ』(辻村深月著)と『宵山万華鏡』(森見登美彦著)と『かみつく二人』(三谷幸喜・清水ミチコ共著)の三冊。
 この三冊は最初から買うつもりだったので予定内の出費だったのですが、それとは別に一冊、予定外に購入した本がありました。
 それが何かというと前川淳という人の書いた『本格折り紙』

 今ある程度大きな書店に行ったら、折り紙読本なんて腐るほど置いてあるじゃないですか。
 でも、その手の折り紙読本のほとんどは自分にとって用のないものです。
 なぜかというとそれらの本で紹介されている作品で複雑なものは大抵複数枚の紙を使用するからです。
 例えば「頭部は12cm、胴体は15cmの紙を使う」みたいに。
 自分にいわせりゃ、二枚以上の紙を使って作るものは折り紙じゃないんです。
 他にも鋏を用いたり、ペンで色付けしたり、そういうのは折り紙じゃなくて、ペーパークラフト(自分は連鶴を嗜みますが、連鶴ももちろん折り紙ではない)。
 自分なりに折り紙を定義すると、
「たった一枚の正方形の紙を折ることによってのみ、世界の森羅万象のすべてを表現しようとする無謀ともいえる試み」だと思っています(専門用語では「不切正方形一枚折り」といいます)。

 たった一枚の紙を折ることしか出来ないんじゃ、大したものは出来ないのでは?そう思う人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
 この本で紹介されている『悪魔』なんて、角があって、尻尾があって、羽根が生えてて、さらに指が五本ある!!
 すごすぎる!!

 残念ながらこの本を持っていれば誰でも『悪魔』が折れるようになる、というわけではありません(たぶん自分でも難しい)。
 でも折り図を眺めているだけで本当にうっとりします。
 折り紙に少しでも興味がある人は、本書は決して高い買い物じゃないと思います。
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アルパカなのに。

2009-07-08 22:00:24 | UFOキャッチャー
   
   


 先週の土曜日、オフ会に行く前に寄ったゲーセンでゲットしたアルパカのぬいぐるみ。
 オフ会にきた女の子にあげよう、モリミーファンならきっと欲しがるはず!!(モリミーファンだとなぜアルパカのぬいぐるみを欲しがるかと思ったかについては割愛)と思ってオフ会に持っていったら、「いりません」「興味なし」「結構です」「無理強いしない方がいいですよ」と散々でした。
 女の子は無条件にぬいぐるみを欲しがるもの、と思っていたけれど、それが思い込みに過ぎないとわかっただけでもオフ会に参加した甲斐がありました。

 プレゼントをしようとしたのがお前だからじゃないの?という鋭すぎるツッコミはなしの方向でお願いします。
 悲しすぎるから。

 それにしてもこのアルパカのぬいぐるみはカワユスですよ(男が「カワユス」って言うな、「カワユス」って)。
 普段ぬいぐるみを愛でる習慣のない自分も一瞬魂が奪われそうになりました。
 っていうか、この『CALTOY』ってメーカー(ブランド?)のぬいぐるみって大概カワユスですけどね(だから「カワユス」言うなって!用法も間違ってるぽいし)。
 これまでにイルカやクジラ、象なんかのぬいぐるみをゲットしてきましたけど(でもほとんど手元にない。あげちゃった。)、このアルパカは突き抜けてカワユスだなぁ。
 思い切って飼っちゃおうかなぁ、、、どうしよっかなぁ、、、う~ん。。。
 こんなことで悩んでいる自分がカワユスだと思いました(キショいよ!!)。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ふちなしのかがみ。

2009-07-07 22:12:26 | 読書
 辻村深月著、『ふちなしのかがみ』、読了。

 著者初のホラー系短編集。
 これまでファンタジックなミステリーで遺憾なくその力を発揮してきた著者であるが、出来栄えや如何に?

 一編目の『踊り場の花子』。
 これが何つーか、めっちゃめちゃ怖ぇ。
 学校の怪談という『世にも奇妙な物語』でありそうなお話ではあるのだけれど、そのありがちなお話が辻村深月の手にかかるとこうも怖いものに仕上がるのか。
 ラストの一行も冴えている。
 さすがは辻村深月、ホラーもお手のものなのか、と甚く感心した。

 と手放しに褒められたのも一編目のみ。
 続く『ブランコをこぐ足』、『おとうさん、したいがあるよ』ははっきりいって意味がわからん。
 自分の読解力に問題があるんかいな?と思って読み直してみたけど、やっぱわからん。
 わからなかったのは自分だけではないようで、ミクシィの辻村深月コミュでも『おとうさん~』の意味を教えて♪っていってる人が少なからずいた。
 辻村深月ファンでわからんなら、辻村深月ファンでなかったらさらにわからんだろうな。

 表題作の『ふちなしのかがみ』はまぁ及第点かな、ってところ。
 でも辻村深月の新作に及第点をつけるような作品は求めちゃないんだよね。
 
 五編目の『八月の天変地異』は正直イマイチだった。
 空想の中の友人が現実に現れるというプロットは嫌っていうほど目にしているので、そこに何かしら新機軸か、作者なりの一工夫がなければいけないと思うが、この作品にはそういったものがない。
 ファンタジーなのか、ファンタジーじゃないのか、よくわからない結末もこの場合“逃げ”だと思う。
 読み終わってもやもやした。
 同系統の作品であれば乙一の『はじめ』の方がよほど優れていると思う。

 新作を発表するたびに自分の中で評価を上げてきた辻村深月であるけれど(世間的にはイマイチ評判の悪い『太陽の坐る場所』も自分的にはよかった)、初めて「あれ?こんなもの?」と思ってしまった。
 だからといってファンをやめようとか、新刊を買うのをやめようとか、そういうことは全然思わないけどね。
 辻村深月、全般的には非常にハズレの少ない作家だと思います。
 面白い作家はいないかとお探しの方がいらっしゃったら、是非彼女のデビュー作『冷たい校舎の時は止まる』を読んでみて下さい。
 時が止まった異空間で繰り広げられる驚天動地のミステリーです。
 面白いですよ。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ハゲた。

2009-07-06 23:33:02 | 日常
 やっぱり、酷使される日々のストレスには耐えかねたのか、物の見事にハゲちゃいました。

 愛車フィットのドアミラーの付け根が。


   


 雨上がりの日にこれを発見したので、最初飛ばされてきたダンボールの切れ端が張り付いてるのかと思いましたよ。

 ホンダのフィットは本当にいい車で、すごく気に入ってるのですが、唯一ドアミラーの付け根の塗装が甘いような気がするなぁ。

 以前にも一度同じように塗装がハゲた覚えがあります。

 まぁホンダのディーラーに持っていったらドアミラーごと代えてくれることになったんでよかったんですけどね(こっちは目立たないように塗装してくれればよかったんですが)。

 ちなみに自分の頭髪はフサフサですから、、、ほら、前頭部も後頭部もどこもかしこもフサフサで、、、あっ、あれ、、、いや、何でもないです、何でも、、、ない、です。。。
コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

終電で、見知らぬ女性をぴしりと叩く。

2009-07-05 21:20:32 | 日常
 土曜日はオフ会でした。
 何のオフ会かというと森見登美彦ファンの集いで、そう聞くとモリミー談義に花を咲かせた、みたいなイメージを持つ方もいるかも知れませんが、そんなことはほとんどなくて、ごくフツーの飲み会といった様相でした。

 オフ会そのものは特に報告することもなく(ちょっとしたトラブルはあったものの)、楽しかったです。
 次があれば次も参加したいな、と思いました。

 この日は遅くなったのでJRの終電に乗って帰りました。
 終電に乗るのは何年振りでしょうか、零時を過ぎているというのに車内は結構乗客で込んでました。
 横型シートの自分の隣りに四十歳ぐらいの女性が座りました。
 もちろん知らない女性です。
 それでですね、腕を組んでいたか、本を読んでいたかは忘れましたが、女性の手の甲のところに蚊が止まってたんですよ。
 刺されたら痒そうな蚊が。
 0,5秒ぐらい考えたかな、自分は「失礼」と一言断ってから、ぴしりと女性の手の甲を叩きました(あくまで軽くですよ、軽く)。
 女性は一瞬驚いたようでしたが、自分が「蚊が止まっていたので」と蚊がつぶれた掌を見せると、納得して「あ、どうも」と礼を言ってくれました。

 このときの自分の行動は正しかったと思います。
 でも、相手が四十歳ぐらいの女性だったから取れた行動だったとも思っています。
 これが二十歳前後のうら若い女性だったら同じ行動は取れません。
 痴漢と勘違いされたらたまらないですからね。

 で、、、どうなんでしょう。
 女性の立場からしたら、こんなときどうされるのが一番ありがたいですか?
 自分がしたように叩いちゃっても構わないですかね?
 それとも「蚊が止まっていますよ」と言葉だけで指摘されるのがいい?
 いっそ見知らぬ相手から手の甲を叩かれたり、言葉を交わしたりするぐらいなら、蚊に刺されて痒い方がマシ?

 男性は自分と同じ状況だったらどうします?
 痴漢冤罪の記事が新聞やニュース番組を賑わす今日この頃、たかだか蚊の一匹にもいろいろ考えさせられます。
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破。

2009-07-04 20:05:28 | 新作映画
 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』、7/4、ユナイテッドシネマキャナルシティ13にて鑑賞。2009年25本目。

 ほんとは全然観る気はなかったんですけどね、これ。
 だから前売り券も買いませんでした(自分の場合観ようと思う映画は大概前売り券を買います。鑑賞の前日に上映されることを知った『チョコレート・ファイター』の場合などを除いて)。

 自分にとってテレビ版『エヴァンゲリオン』は好みのタイプだと思って想いを寄せる女性がいたら、実は彼女は裏では美人局とか平気でやってるビッチだった、みたいなものでしょうか。
 最終話、及び二十五話を見たとき、「何じゃ、こりゃ!?」って思いましたもん。
 あの終わり方は視聴者を完全に舐めてますよね。
 今までの二十四話は何だったんだ、っていいたくなりました。

 それでも旧劇場版は観に行きました。
 このときの心情を例えるなら美人局をやるのは何か事情があってのことだ、本当の彼女は清らか女性なんだ、きっとそうだ、と思いたい男心のようなものでしょうか。
 しかし現実は美人局どころか、売春組織のリーダー格が彼女だった、って感じでしたね。期待は見事に裏切られました。
 『まごころを君に』というようなサブタイトルでしたが、作り手のまごころなんぞこれっぽっちも感じ取ることの出来ない、商業主義の権化みたいな作品でしたよ。
 この時点で自分は『エヴァンゲリオン』とはすっぱり縁を切ったつもりでした。

 十年ぶりに映画化されると聞いたときは「まだやるんかい!」と思いました。
 まったく未練はなかったんですが、たまたま映画サービスデーに上映されていたので『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』は観に行きました。
 感想はというと、十年ぶりに目の前に現れた女性が「心を入れ替えました。生まれ変わった私をどうかよろしくお願いします」と頭を下げていった、そんな感じですかね。
 正直その言葉を信じることは出来ませんでしたが。

 で、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』ですよ。
 ほんと観る気はなかったんですが、たまたま天神に用事があって、時間が空いたので観ることにしました。
 それで感想なのですが、、、弁当屋で真面目に働いている彼女を見かけた、みたいな感じでしょうか。
 ストーリーはテレビ版をきちんと練り直してるし、使徒はさらに凶悪だし、新キャラクターもそれなりに魅力的だし、なるほど、巷で評判になるのも頷ける出来でした。
 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』のときはテレビシリーズの焼き直しにしか思えず、これなら次は見なくてもいいかな、と思ったのですが、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』は次も観たいな、と思いました。
 まぁでも完全に信用しているわけではないんですけどね。
 彼女には散々振り回された思い出があるので。

 というふうに自分と『エヴァ』との付き合いを女性に例えてみたんですが、実際そういったモデルになるような女性が過去にいた、というわけではありません。
 あくまで例えです、例え・・・。

 お気に入り度は★★★、お薦め度は★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)。 
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

愛が微笑む時。

2009-07-03 23:55:14 | 旧作映画
 ブログ仲間のshit_headさんに薦められた『愛が微笑む時』を鑑賞しました。
 ヤフオクでDVDを落札までして。
 本来であればいくら強力に薦められたからといって一々DVDを購入するほどこちとら裕福ではないですが、この『愛が微笑む時』、近隣のレンタルショップをせいぜい駆けずり回って探してもどっこにも置いてないんですよねぇ。
 ネットでのレビュー記事を読む限り自分の好きそうな作品であるし、是非とも見たいなぁと思っていたところ切手での購入可のヤフオクの取り引きがあったので、ついつい「未鑑賞の映画のDVDは買わない」という自分の信条に反して買ってしまいました。
 これで面白くなかったらshit_headさんのところに怒鳴り込むところですけど、幸いにして大枚をはたいて(というほどでもないけど)買った価値はあったな、と思えるぐらいには面白くはありました。

 誰もが楽しめるハートウォーミングなコメディです。
 現世に未練を残して亡くなった四人(四体?)の幽霊が一人の青年の身体に乗り移ってそれぞれの最後の望みを叶えていく、というお話。
 乗り移られる青年役の主人公トーマスをロバート・ダウニー・Jrが演じているのですが、これがまた若い!!
 当たり前ですが、『アイアンマン』の彼とは比べ物にならないぐらい若かったです(まぁ十五年前の作品だからねー)。

 よく出来た作品ではあるのですが、若干作為的な匂いがしないでもなかったかな。
 例えば、幽霊たちの手伝いをしたトーマスは恋人のアンとの約束をすっぽかしてしまうのですが、そのとき彼は「仕事で遅れてしまった」って言い訳をするんですよね。
 これはちょっと変かなと思いました。
 なぜかというとこのときの彼であれば、「事故で入院して遅くなった」と言い訳する方が自然なんですよ。
 交通事故を起こして入院したのは事実なのだし、事故った車で駆けつけているんですから、そう言い訳してもアンは疑いようがない。
 もちろんそれは後々のことまで考えてあえてアンの心象を悪くしているわけなんですけれど、作為的であることには違いないんですよね。
 真の傑作であればこういった作為的な匂いなんてしないものなのです。

 とはいってもこのような重箱の隅的な不自然さが気になるのはその作品が非常に高いクオリティであるからで、どうしようもない駄作であればどれほど展開に矛盾があろうと気にならない(気にしても仕方ない)ことはいうまでもありません。

 つまり本作は超絶的な傑作!!ではありませんが、とても上質な作品であるといえます。
 まだ見たことのないという方がレンタルショップでこの作品のDVDを見つけることが出来たら、是非借りてみたらいいでしょう。
コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クドリャフカの順番。

2009-07-02 23:17:56 | 読書
 米澤穂信の古典部シリーズ、『愚者のエンドロール』と『クドリャフカの順番』を立て続けに読む。
 うん、いいね、米澤穂信の古典部シリーズは。
 っていうか米澤穂信という作家がいいと言った方がいいのかもしれない。
 『ボトルネック』を読んだときは正直イマイチかな、とも思ったけれど、それ以外の作品はどれも及第点を超えていると思う。
 どの作品も文章は読みやすいし、構成は巧みだし、結末は意外だしね。
 誰が読んでも損をしたとは思わないんじゃないかな。

 と、べた褒めしておいてなんだけど、件の『愚者のエンドロール』と『クドリャフカの順番』は残念ながら傑作!!とまではいかなかった。
 というのも、どちらの作品にも作品の根幹の部分で不自然な箇所や疑問点があるからで、、、
 まず『愚者のエンドロール』でいえば、未完成の映画の結末を推理するというお話なのだけれど、そもそも映画の脚本を書いた人物が死んでしまったわけでも、面会謝絶の重態にになったわけでもないのだから、その人物に結末を聞けばいいわけで、それが出来ないということはどういうことなのかということに気づけば早々と真相にはたどり着けるはず。
 作者は上手く誤魔化してはいるけれど、やっぱり探偵気質である主人公のホータローが気づかないのは変だよな、って思う。
 また『クドリャフカの順番』では古典部のメンバーの一人、伊原摩耶花が中学校のころ、カンヤ祭で買った同人漫画に感銘を受け、その後神山高校に入学し、漫画研究会に入会している。であれば当然作者が誰か調べるのが自然ではないか?
 調べようとしたが壁にぶち当たり、諦めざるを得なかったというのならともかく、まるきり調べようともしなかった、というのは明らかに変である。
 もちろん彼女が同人漫画の作者を知っていれば、そもそもお話が成り立たないので、彼女が作者探しをしなかった、何らかの理由を用意するべきだったと思う。

 あと、『クドリャフカ~』ではわらしべ長者的な物々交換が面白いのだけれど、ホータローが最後に手に入れたのがアレでは上手くオチがついていないように思う。
 もしかしたら次巻への伏線なのかもしれないが、、、どうなのだろう。

 というように重箱の隅を突付くことは出来るけれど、米澤穂信の古典部シリーズはミステリーとしても青春ものとしても充分高いクォリティを有しているので、そういったお話が好きという方は読んでみたらいいと思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする