きのうはやあるきのじいさんにおいぬかれる

犬と酒依存症のおっさんが、車椅子を漕ぎながら、ネガティブに日々見たり聞いたり感じたりした暗めの話題を綴ります。

あんよ

2018-03-15 07:26:22 | 脊髄内血管腫との邂逅
2月16日から2週間弱の間、自主訓練の時間に歩いた。自主訓練というのは要はリハビリの合間の時間で、今までは外のリハ庭をぐるぐると漕走していた。その時間をこの期間だけ病棟内をぐるくると歩行する。期間限定の特別自主訓練である。

歩くことができたのは、この歩行車を借りることができたため。元々他の人用に借りていたらしい。膝が折れたりバランスが崩れたりして転倒しそうになってもサドルや周囲のバーでそれが回避できる。普通の歩行車なら看護師さんや介護士さんに付き添ってもらわなければならないが、この車に関して云えばその必要がないので、乗るときと降りるときだけ声を掛ければ、後は外の漕走同様、やりたいだけ回ることができる。

終了まで残り2日の時点で、合計300周(約30キロ)弱で20時間超える練習ができた。

で、業者さんからなかなか返却指示が出ないとかで、もうしばらくもうしばらく、がどんどん長くなり、結局返却は今日、ということでぼ1ヶ月間の歩行練習に。合計700周(約70キロ)超で45時間超える練習ができた。途中、調子に乗って距離も速度もぐんぐん伸びたが最近は脚も痛くてややセーブしていた。にも関わらずこれだけ歩けたのはなかなかのもんだと。

普通の歩行車は、肘をおいて車を動かすような感じで歩くが、それによって脚が楽に前に出て歩き方が綺麗になる。この車もそれができるが、転倒のリスクがないのと肘を置かないで進むような歩き方もできそうなので、できるだけ肘に頼らずに脚の踏ん張りだけで進むような練習をした。右膝が折れやすくはなるがそれを気にしないで、歩幅を取り、リスク回避のための前屈みの姿勢をとらずに体重を後ろ気味において、歩き方や脚の出し方を工夫した。
初めは1周6~7分かかっていたが、一週間ぐらいするとその半分で回れるようになった。最終的には1周は約3分で最速は2分と少し。1回の練習はだいたい1時間かそれ以上。これはリハ庭漕走と同じ感じ。
1回の最高は42周で2時間20分。数字だけはフルみたいな距離になったが、初めの15周から20周ぐらいがしんどくて、それを抜けると25周辺りで歩幅が安定するようになった。10周ぐらいで止めるとこの感覚は分からなかっただろうから、やはりまとまった距離を練習することは必要だろうと感じた。そして、35周過ぎて、左の太股や右の膝の上、太股の付け根などが痛くなり、脚が重くなってきた。リハで杖の練習をしていても、不安定さへの対応や脚の運びに気を付けることとかに気を遣っての疲れは感じたことがあるが、やはり1度の練習時間が20分ぐらいになるから、体の疲れは感じたことがあまりなかったように思う。
ただ、リハ庭漕走と同様にこの病棟周回をすることで、漸く「疲れる」という感覚が分かってきたようにも思う。自主訓練だから、歩き方とか姿勢とか、そこに気を付けることはできても1人でやる分限界がある。反面、量を主眼に置いてやることについては効果はあった。腰とか太股とか車椅子ではあまりしんどくならない部分が痛くなった。体が疲れてではなく、脚が疲れて前に出ないという感覚を経験することができた。やはり量をこなさないと駄目だと感じた。

2月の中旬からリハ疲れで、こうしてリハの空き時間を全部漕走に使うとかできにくくなって、ベッドで30分ぐらい横になることも増えている。この期間中も当然そうなった。以前は乗り移りが面倒だったのもあるが、最近それにも増して疲れとるなあと感じるのも事実。
後は、距離を積むことで右の膝折れがかなり少なくなった。膝折れを恐れずに姿勢重視で自然な歩き方を心がけたことで(こうすることで膝はかなり折れやすくなるのだが)膝が鍛えられたというより、膝の周りで踏ん張ることができるようになったようである。

リハの時間も含めて歩く時間が増えている。ただ、歩けるようになるためにみたいな感じで歩くことは実際にはなくて、ただ時間があって、条件が揃っていて、そして歩くと云う感じでとらえている。うまく云えないが、歩くという機能を獲得したり高めたりするというよりは、強いて云うなら身体全般の機能を高めるというか。
というより、本当に、ただ歩きたいとか歩けるようにとかではなく、歩く条件が揃ったから歩くというか。
これも車椅子でぐるぐる回るときと同様にランのときの感覚に近いような気もする。