マンドリンは弦をピックで弾いて(はじいて)音を鳴らします。
弾いた音は減衰してしまいます。
弦を反復して震わせて持続音(長い音)を表現するのがトレモロです。
言ってみれば往復ビンタのようなもので(例えが不適切?)、上から下に弾いた弦をすぐに下から上に弾く、ということを連続します。
この奏法がマンドリンの特徴でもあります。
そのせいか、見た目のイメージでなんとなく「とにかく大急ぎで手を動かす」をやってしまうと、しっかり弦が弾けずうまくいかないようです。
見様見真似はなかなか難しいです。
初心者の生徒の導入時に同じように説明するんですが、苦労なくすんなりできる人と、苦手意識を持ってこじれてしまう人がいます。
今日の生徒さんは、左手の押さえも譜読みも順調にできているのに、トレモロだと思うと右手がこわばってぎくしゃくする、という状況が続いていました。
それが説明の何かが腑に落ちたようで、突然動きがスムーズになったんです。
一度できたら元のぎこちない感じに戻ることがなく、曇り空が晴れたかのように明るい表情で帰って行かれました。
ポジション移動も同じで、悩んでいた人が急にできるようになることがあります。
同じ歌を聴いていても、ある時急に心に響くことがあるような、見えなかったものが見えたような、そんな感じなのかも。
今日がその生徒さんのタイミングだったんだと思います。
よかった。
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