古本屋のなかをウロウロするのが好きである。
この他にも、100円ショップとかホームセンターとか図書館とか古着専門店とか・・・。
共通しているのは、値段が極端に安くていいなと思う物が例え有ったとしても値が張らないという安心感がある。
それと店の特徴として、雑然といろんな物が並べられていて、掘り出し物やお得感のあるものを探す探検的な要素を持っている。
古本屋で装釘の変わった本を見つけ出した。
「夜のくもざる」村上春樹(文)安西水丸(絵)1995.6平凡社(刊)
頑丈なハードカバーの本は、特徴のある段ボールのカバーで保護されていて、そのカバーの女性の絵が目を引いた。
村上朝日堂超短篇小説 というので、目次を見るとあとがきを除いて232ページに37もの短篇が詰め込まれている。
ほぼ2ページ前後のものばかりで、絵ばかりのページや空白のページも多いので読む行為に負担感は極端に・・ない。
わざわざ構えて読むこともないと、相方を用事で車で送った後に駐車場で待つ間に読む本として車に持ち込んだ。
初めはとりとめもない話の連続にいささか拍子抜けの感じでページを捲っていたのだが、10篇あたりまで読み進むうちに不思議な文章の世界に引き込まれていた。
しかも、どこで中断を余儀なくされても苦にならないのもこれまた不思議。
「写字室の旅」ポール・オースター(著)柴田元幸(訳)2014.1新潮社(刊)
これは図書館の本。
”老人は狭いベッドの縁に座って、両の手の平を広げて膝に乗せ、うつむいて床を見つめている”の書き出しで物語は始まる。
主人公の名前は不明で、取り敢えずミスター・ブランクと呼ばれて物語は進行する。
後半になってブランク氏はとある文章を読み始める。
表題は「写字室の旅」、N・Rファンシー(著)とあって、1ページ目を開き読み始める。
”老人は狭いベッドの縁に座って、両の手のひらを広げて膝に乗せ、うつむいて・・・・・”
ある程度まで読んでミスター・ブランクもウンザリする。
とまあこんな調子で終わりへと近づいていくが、読んでるこっちも途方にくれる。
この本を読んでいて以前読んだことのある「名声」の中の1篇「ロザリーは死にに行く」が頭に浮かんできた。
安楽死をさせてくれるという民間組織の門を叩いた老主人公を、作者が最後に物語をひっくり返して若返らせて助けてしまうという展開にあっけにとられながらも、強く印象付けられていたのだ。
このエンドレスの物語はジャンルとしてあるのかも知れないが、もし再び繰り返される人生を本人が全く意識出来ないのであれば、本人にとっては何度再生しようと一度きりの人生を歩んでいることになる。
読者は神の目線で全てを理解でき、作者はしてやったりとほくそ笑む。
ただ現実の世界もAIやVRや再生医療など、小説に負けじと追随している。
ひょっとしたら、もう小説もAIが書いているかも知れない。
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この他にも、100円ショップとかホームセンターとか図書館とか古着専門店とか・・・。
共通しているのは、値段が極端に安くていいなと思う物が例え有ったとしても値が張らないという安心感がある。
それと店の特徴として、雑然といろんな物が並べられていて、掘り出し物やお得感のあるものを探す探検的な要素を持っている。
古本屋で装釘の変わった本を見つけ出した。
「夜のくもざる」村上春樹(文)安西水丸(絵)1995.6平凡社(刊)
頑丈なハードカバーの本は、特徴のある段ボールのカバーで保護されていて、そのカバーの女性の絵が目を引いた。
村上朝日堂超短篇小説 というので、目次を見るとあとがきを除いて232ページに37もの短篇が詰め込まれている。
ほぼ2ページ前後のものばかりで、絵ばかりのページや空白のページも多いので読む行為に負担感は極端に・・ない。
わざわざ構えて読むこともないと、相方を用事で車で送った後に駐車場で待つ間に読む本として車に持ち込んだ。
初めはとりとめもない話の連続にいささか拍子抜けの感じでページを捲っていたのだが、10篇あたりまで読み進むうちに不思議な文章の世界に引き込まれていた。
しかも、どこで中断を余儀なくされても苦にならないのもこれまた不思議。
「写字室の旅」ポール・オースター(著)柴田元幸(訳)2014.1新潮社(刊)
これは図書館の本。
”老人は狭いベッドの縁に座って、両の手の平を広げて膝に乗せ、うつむいて床を見つめている”の書き出しで物語は始まる。
主人公の名前は不明で、取り敢えずミスター・ブランクと呼ばれて物語は進行する。
後半になってブランク氏はとある文章を読み始める。
表題は「写字室の旅」、N・Rファンシー(著)とあって、1ページ目を開き読み始める。
”老人は狭いベッドの縁に座って、両の手のひらを広げて膝に乗せ、うつむいて・・・・・”
ある程度まで読んでミスター・ブランクもウンザリする。
とまあこんな調子で終わりへと近づいていくが、読んでるこっちも途方にくれる。
この本を読んでいて以前読んだことのある「名声」の中の1篇「ロザリーは死にに行く」が頭に浮かんできた。
安楽死をさせてくれるという民間組織の門を叩いた老主人公を、作者が最後に物語をひっくり返して若返らせて助けてしまうという展開にあっけにとられながらも、強く印象付けられていたのだ。
このエンドレスの物語はジャンルとしてあるのかも知れないが、もし再び繰り返される人生を本人が全く意識出来ないのであれば、本人にとっては何度再生しようと一度きりの人生を歩んでいることになる。
読者は神の目線で全てを理解でき、作者はしてやったりとほくそ笑む。
ただ現実の世界もAIやVRや再生医療など、小説に負けじと追随している。
ひょっとしたら、もう小説もAIが書いているかも知れない。
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