2学期も終業式を迎えた。街はクリスマスムード一色だ。藤沢と有紗と僕は、駅前の樹々という名の、いつもの喫茶店で軽めの昼食を済ませ、それぞれの方面へ向かう。僕は自転車で、藤沢は上り電車で、有紗は下り電車で。
「誠、しっかり勉強しろよな。まあ、俺もだけど」
「ああ」
「わたしには激励してくれないの?」
「矢野は言わなくてもやると思うけど、誠はサボりそうだから」
僕は軽く、藤沢を睨んでやった。
「そんなことないよね、坂木君」
「うん、ベストは尽くすよ」
「やけに格好いいじゃないか。でも最近の誠を見ていると、あながち否定は出来ないけどな」
藤沢は少し真面目な顔をした後、笑顔になり、「じゃあな誠」と声を張った。
僕も「ああ、じゃあな、孝志。しっかり勉強するんだぞ」と言ってやった。
有紗は笑顔で「あんまり無理しないようにね」と言う。
「矢野も頑張って」
僕は精一杯の言葉を返した。
僕は二人のうしろ姿を見ていた。彼らの背中が小さくなるにつれ、胸騒ぎがした。僕は自転車を喫茶店に置いたまま、駅に向かって歩き出した。気づかれないように、改札を通過する二人の後を追う。二人一緒に上りのホームへ向かった。やっぱりかと思いながら、僕も少し送れて上りのホームへ降りていった。
「誠、しっかり勉強しろよな。まあ、俺もだけど」
「ああ」
「わたしには激励してくれないの?」
「矢野は言わなくてもやると思うけど、誠はサボりそうだから」
僕は軽く、藤沢を睨んでやった。
「そんなことないよね、坂木君」
「うん、ベストは尽くすよ」
「やけに格好いいじゃないか。でも最近の誠を見ていると、あながち否定は出来ないけどな」
藤沢は少し真面目な顔をした後、笑顔になり、「じゃあな誠」と声を張った。
僕も「ああ、じゃあな、孝志。しっかり勉強するんだぞ」と言ってやった。
有紗は笑顔で「あんまり無理しないようにね」と言う。
「矢野も頑張って」
僕は精一杯の言葉を返した。
僕は二人のうしろ姿を見ていた。彼らの背中が小さくなるにつれ、胸騒ぎがした。僕は自転車を喫茶店に置いたまま、駅に向かって歩き出した。気づかれないように、改札を通過する二人の後を追う。二人一緒に上りのホームへ向かった。やっぱりかと思いながら、僕も少し送れて上りのホームへ降りていった。