四月十四日(水)晴れ。
良い天気である。目覚ましをかけなくとも、鶯や鳥の鳴く音で自然に目が覚める。考えてみると、鶯は大したものだ。字を読めなくともホーホケキョウと法華経を説いている。
東京拘置所で、分類にかけられ、行く先が決まるまでに十日ほどいた古い独房では、朝になると雀の鳴く音で起こされた。そう言えば、「蛮社の獄」で逮捕された高野長英の獄中日記が、確か「鳥の鳴く音」であった。久しく忘れていた当時のことを思い出した。
日曜日の夕方にここに来てまだ四日だというのに、随分と長い間酒を飲んでいないような気がする。
朝は、六時半に起床し、七時半から体操。十時の朝食まで三十分ほど歩いた。
朝食の後は、自室に戻り、機関誌のデーター入力などの仕事を済ませてから、良い天気なので、一緒に来ている同病相哀れむ士と、共にウォーキングに出た。途中駅に行き、土産ものを冷やかしながら休憩を交えて二時間ほど。
戻ってから近くに「ツタヤ」があるので、「真夏のオリオン」と「クヒオ大佐」の二枚をレンタルした。「ツタヤ」は会員になって一年が過ぎると、全国どこのお店でもレンタルができるとのこと。便利になったものだ。
入浴を済ませて、六時には夕食。相変わらず三百カロリーの野菜中心の食事である。それでも慣れてきたせいか、空腹感が感じられなくなった。食後は、自室で、のんびりした。あと三日か・・・。