スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

日本シリーズ&理性の特徴

2007-12-21 19:10:42 | 将棋
 途中で二歩というハプニングのあった今年の日本シリーズ。決勝は11月18日に東京のビッグサイトで指されました。決勝進出を果したのは森内俊之名人と森下卓九段。この日まで,森内名人が19勝,森下九段が9勝という対戦成績でした。
 振駒で森内名人が先手となり相矢倉。21手目に先手が▲3五歩と早めに仕掛ける将棋。ただこのまま急戦で一気にというわけではなく,一応どちらも囲ってから,第二の戦いになりました。
 この将棋は桂馬が主役の将棋でした。52手目の△8五桂に▲8六歩と突いて先手が桂得しにいくと,後手は△2五桂とこちらの桂馬も跳ね出しました。対して先手は▲4五桂の跳ね違え。これを△同銀直と取り,△7六桂の王手角取り。先手は▲同金と取り,▲2六桂と銀取りに打ちました。後手が△4五銀と逃げると▲8五歩と今度はこちらの桂馬を取って▲5七桂でまた銀取り。この後,銀交換になり,71手目から▲4五桂~▲3四桂と打った2枚の桂馬が跳ねていきました。ただしこのあたり,形勢はすでに後手の方がよいようです。
 75手目の▲3三銀に△同角と取り,△8七銀と打ち込んでいよいよ寄せに。80手目の△6七銀に▲1三角成~▲6七金という鬼手で先手も抵抗しましたが,ここで△3七歩成が勝ちを決める一手。最後は先手玉を即詰みに討ち取って,森下九段の優勝となりました。
 リンク先に解説が付されていますが,厳密にいうと不備があります。これは遠山四段が詳しく説明していますのでご注意ください。
 森下九段は春に急な病に倒れ,不戦敗もありましたが,完全復活といえそうです。おそらく優勝できなければ,来年度のこの棋戦に参加する資格を失っていたと思われ,その意味でも大きな優勝であったと思います。

 明日は中山大障害です。反動が心配ですがテイエムドラゴン◎が中心。マルカラスカル○とメルシーエイタイム▲が強敵で,ブラックコンドル△とキングジョイ△。

 第二部定理三八は,人間の精神のうちに,少なくともひとつの共通疑念,すなわち十全な観念が存在するということもその内容に含んでいるというのが僕の考え方です。スピノザは実際には第二部定理三八系でこのことを別に証明していますが,系は定理から直接的に帰結するものですから,僕のように考えても差し支えないだろうと思います。そこで,人間の精神のうちには少なくとも何らかの十全な観念があるということについては,ここではあらかじめ前提することにします。したがって人間の精神はその十全な観念に依拠することによって理性的であり得る,あるいは,人間は常にではないとしても,理性的である場合があるという前提の元に,ここでの考察に関係する理性の特徴をひとつ示しておくことにします。
 人間が十全な観念に依拠して事物を認識する限り,そうして認識されるある別の観念もまた十全な観念です。これは第二部定理四〇において証明されています。よって人間が理性的であるとは,ある人間の精神のうちにある十全な観念のみに関係し,混乱した観念とは一切の関わりをもちません。
 次に,これは明日以降に詳しく触れますが,第三部定理三により,こうした人間の精神の活動は,人間の精神の能動のみに関係します。よって第三部定義二により,これは人間の精神がある観念に対して十全な原因となっていることを意味します。
 これらのことから第四部定理五〇は,人間の精神のうちに生じる観念に対してその人間が十全な原因になっている限り,あるいは人間の精神が能動的である限り,憐憫という感情はその人間にとっては無用な感情である,という意味になります。
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