スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

東京2歳優駿牝馬&悪の認識

2007-12-31 19:07:17 | 地方競馬
 南関東の競馬は,12月29日に東京大賞典,30日に東京2歳優駿牝馬という日程でこのところはずっと推移してきました。しかし今年からは東京シンデレラマイルが新設され,それが30日の施行。ということで東京2歳優駿牝馬は大晦日に移行されました。
 連勝中だったボンキュッボンの逃げ。これをトミノプラネットが追い,ミスガイア,カクテルラウンジという隊列。前半の800メートルは50秒3で,ミドルペースの競馬。
 レースを動かしたのはマダムルコントで,向正面で上がっていくと,ボンキュッボンは下がり,先頭に立ったトミノプラネットに並び掛けます。追いかけてきたのはブライズメイトで,4コーナーではこの3頭と後ろが一旦は離れました。
 直線に入るとトミノプラネットはあっさりとギブアップ。マダムルコントとブライズメイトが2頭で後ろを離して叩き合いましたが,マダムルコントガ凌いで優勝。ブライズメイトが2着。トミノプラネットが大きくばてたので,一旦は離されたカクテルラウンジが3着に入っています。
 優勝したマダムルコントはローレル賞からの南関東重賞連勝。町田直希騎手もローレル賞以来の南関東重賞制覇。管理している田辺陽一調教師は南関東重賞2勝目。転入初戦の前走で14キロ減っていた体重が今日も6キロ減って懸念されましたが,確かな能力に加え,豊かな勝負根性で克服したという印象のレースでした。おそらくレースに行って手加減せずに目一杯走るタイプの馬で,間隔を少し開けたローテーションもよかったのではないでしょうか。こういうタイプの馬は,体重は軽い方が,自身に掛かる負担は軽減できるということはあるかもしれません。

 人間にとって不利益というのがこのようなものであるということは,人間にとっての一般的な悪の認識について,ある重要な点を帰結させます。
 不利益とは,人間の実在性を低下させるものに対していわれます。そこでここでは最も単純に,人間に対して害悪をもたらすような,あるウイルスを例にとって考えてみます。
 このウイルスに感染することによって,人間の健康が損なわれると仮定します。つまり病気になるということです。これは明らかに人間の実在性が低下する現象であるといっていいと思います。したがってこれは人間にとっての不利益であり,このウイルスは悪であると認識されることになるでしょう。
 しかしこのことはあくまでも一般的な意味であるにすぎません。というのは,実在性あるいは完全性の低下というのは,あくまでも現実的に存在するといわれるような仕方で存在する個々の人間にとって考えられなければならないものであるということが,第三部定理七によって明らかにされているからです。そこでもしもこのウイルスに対する抗体をすでに自分自身の体内に有しているような人間は,このウイルスによって自身の実在性が低下するということはありません。よってこの人間にとっては,このウイルスは不利益なものではなく,したがってそれを悪であるとは認識しないということになります。
 つまり,あるものを悪であると認識するかどうかということは,何ら普遍的なことではないのです。それは人によって異なることはもちろん,同じ人間のうちでも場合によって異なることすらあるわけです。よってこのように悪の概念を考えるスピノザの哲学においては,普遍的に悪であるものなどは一切存在しないことになります。そして当然のことですが,同様に普遍的に善であるものまた,存在しないということになります。これはひとつ,スピノザの哲学における善悪の考え方として,大きな特徴であるといえると思います。
コメント
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