スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

マイナビ女子オープン&第二部定理四九系

2010-02-16 18:38:27 | 将棋
 第3期マイナビ女子オープンの挑戦者決定戦は,斎田晴子女流四段に甲斐智美女流二段という,振飛車党同士の顔合わせとなりました。対戦成績は斎田四段が4勝で甲斐二段が6勝。
 振駒で先手は斎田四段。序盤の駆け引きで後手が居飛車を選択。先手は中飛車から早い段階で8筋に転換。後手は矢倉と玉頭位取りをミックスしたような指し方。作戦的には明らかに先手が成功,着々と攻撃態勢を築き上げ,先攻。駒得の分かれになったのですが,そのために駒を費やしてしまい,大幅なリードを奪うには至りませんでした。そのまま終盤戦に突入し,難解な寄せ合いに。
               
 △5六桂打を防いで▲5七歩と打ったところ。ここで△4六歩が手筋で,結果的にはこの将棋の勝着になりました。▲同歩△4七歩▲同金に△3五桂と打ち,▲2四歩に△4五歩が好手。▲2三歩成△4三玉▲2四と(第2図)は先手としても仕方ないところでしょうが,ここで後手が手番を手に入れました。
               
 △4七桂成以下,質駒の馬も入手した後手が寄せきり,先手の反撃にも冷静に応じて勝っています。
 甲斐二段が矢内女王への挑戦権を獲得。五番勝負の第一局は,来月28日に指されます。

 もう1年半ほど前のことになってしまいましたが,第三部定理二というのをテーマに設定して考察したことがありました。もっともこの考察は,その定理自体に問題ないしは疑問があるという理由でテーマとして設定したわけではなく,むしろそこでスピノザが主張していること,なかんずく人間の意志が自分の身体を運動や静止に決定できないということ,一般的には可能であると信じられているのではないかと思われますが,実はそれは可能ではないのだということを,経験論的な観点から後押しするための考察でした。そしてこれを考察するときに,僕はひとつの例として,人間の排泄という運動を取り上げました。
 そのときに排泄を例として採用したのには,ふたつの理由があります。ひとつは,排泄という行為はどの人間も日常的になす行為なので,経験論的な題材とするに相応しいというものです。そしてもうひとつは,実は排泄行為を例として採用することにより,そのときのテーマであった第三部定理二とは別に,『エチカ』における別の箇所についても,やはり経験論的な観点からそれを補強できると考えていたからなのです。そしてその箇所こそ,今回からテーマとして設定する第二部定理四九系です。
               
 「意志と知性とは同一である」。
 第三部定理二の考察は,実は僕の精神のうちではこの第二部定理四九系の考察とセットになっていました。しかしその後,頂いたコメントにより別の部分の考察を先に行ってしまい,さらにその考察をしている間に糖尿病に罹患して入院生活を送り,そのことに関する記述も闘病記と称してしたということで,実に1年半もの時間が過ぎてしまったわけですが,僕の中ではあくまでもセットしなっていますから,改めて今日からはこの系について考察していくことにします。
コメント
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