スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

棋聖戦&見通し

2013-04-26 19:50:24 | 将棋
 前年度の棋王戦の再戦となる第84期棋聖戦挑戦者決定戦。対戦成績は渡辺明竜王が13勝,郷田真隆九段が8勝。
 振駒で渡辺竜王の先手。角換り相腰掛銀に。郷田九段の方が3筋から動き,端を絡めて先攻する将棋に。僕はこういう指し方があることを知りませんでしたので,びっくりしました。その辺りも面白かったですが,今日は終盤をライブで観戦できましたのでそこを。
                         
 これが僕がアクセスしたときの局面。ほどなくして☖7六銀が打たれました。後手の攻め駒は多くはないのですが,後手玉がすぐに寄るという感じではないので,かなり難しそうな局面だと思いました。時間を使って☗8六金と引きました。これは予想していた手。☖8一飛☗8五歩☖同銀まで一気に進みました。そこで☗2四桂と取るのも予想していた手のひとつ。これだと☖8六銀☗8一馬までは必然でしょう。これ以降は後手の攻めが続くかどうかだけ。☖7七歩と垂らしました。☗6八金はこの一手と思えます。☖8七歩の王手には☗7九王よりありません。そこで☖4八歩成。これも☗同飛の一手。ずっと狙いの筋としてあった☖5九角がここで打たれました。
                         
 この手自体は詰めろではないので,先手に勝つ順がありそうに思えました。長考したのはそれを探して確認するためだったと思います。☗8二飛。これには☖4一歩しかありませんが,そこでの☗1二桂成が鮮やかな決め手。☖同玉に☗2四香と打ち,どうやら先手の勝ちは動かなくなったと思え,ここで検討を終らせました。
                         
 渡辺竜王が勝って挑戦権を獲得。棋聖戦は第78期以来2回目の挑戦で,初獲得を目指すことになります。第一局は6月4日です。

 僕がいっていることはあくまでも一般論です。第一部定理二六証明でスピノザが文法の規制を受けているという意味ではありません。ただ,日本語で考えるconcipere場合には,ここでいわれている積極的という語句は,決定するという動詞を修飾する副詞であるとも,決定する主体subjectumを修飾する形容詞であるとも解釈することが可能であるということは疑いなく事実であるといえます。ですからそうしたことも視野に入れた上で,考察を進めていかなければなりません。さらに日本語で考えるという場合には,日本語の文法の規則から逸脱することは不可能です。つまりそれを遵守しつつ,かつそれによってスピノザがいわんとしている事柄が,それによって漏出しないような方法を用いるのでなければならないのです。
 これが,第一部定理二六証明の①の部分について,その見通しを立てるときの基準というか前提となってくるのです。そうでなければヒントを正しい答えに繋げることが不可能になってしまうかもしれませんし,そこまではいわないとしても,その道筋が困難なものとなることは間違いないでしょう。
 これを部分的に抽出し,単に日本語として考えたならば,ここでは積極的なもののため,と記述されています。すなわちこれはあるものを修飾している語句ということになり,形容詞であるということになるでしょう。厳密に日本語の品詞の概念notioでいうなら,形容動詞ということになりますが,僕がこれをどのように解釈するべきであるかと考えるときの論点が,品詞そのものの概念にあるわけではないということは,ここまでの説明からお分かりいただけるものと思います。それにそもそも形容動詞という品詞は日本語に特有の概念であるといえると僕は考えていますので,今は単にこれを形容詞とだけいっておきます。
 では,僕がこれを形容詞として解釈するという見通しを立てるのかといえば,そうではありません。僕はむしろここでスピノザが積極的ということに関して,まずは副詞の要素を構成するものと解釈します。これは前述したような基準ないしは前提という観点に鑑みるならば,そのように解釈しておく方が,安全である,あるいは間違いを生じにくくすると思うからです。
コメント
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