スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

性的不能者&仮の歯

2013-04-01 18:59:52 | 歌・小説
 スメルジャコフとムイシュキンの僕の読解は既述の通りです。ところが亀山郁夫が『ドストエフスキー 共苦する力』の中で,ムイシュキンこそ性的不能者であると指摘していて,これは僕には軽い衝撃でした。
                         
 亀山によるとそれは『白痴』の冒頭に暗示されているとのこと。それで読み返してみたのですが,僕にはやっぱりそれとは読解できませんでした。
                         
 『白痴』の冒頭というのは,スイスからペテルブルグへ向う列車の中で,ムイシュキンが後の恋敵となるロゴージンと出会う場面です。ドストエフスキーの小説の特徴のひとつに会話の分量の多さがあり,このシーンでもほかの人物も交えつつ両者は長々と語り合います。その中でムイシュキンは,自分は病気のせいで女というものを知らないという主旨のことを告白するのですが,亀山が指摘しているのはおそらくこの部分のことでしょう。
 ムイシュキンが病気というのは癲癇のことです。この部分はその癲癇のせいで好かれないとも解釈できますし,性的に不能であるとも解釈できます。亀山は後者の読解を選択したのですが,仮にその読解が正しいとすると,次の事柄が浮上してきます。
 癲癇という病と,性的無垢の象徴としての子どもというのは,ドストエフスキーの神の似姿のふたつの要素を構成するというのが僕の考え方です。するとこの場合,癲癇であるということが性的に無垢であるということの原因を構成していることになります。つまり神の似姿を構成するふたつの要素が,ここでは分かちがたく結合しているということになるでしょう。
 もう一点,ムイシュキン公爵は神の似姿に最も近い人物としてドストエフスキーによって描かれているというのも僕の考え方です。そのとき,個人的なパーソナリティとしてムイシュキンが性的無垢な存在であるなら,彼は精神的な意味において神の似姿であるとしか考えられないことになります。しかし亀山が指摘しているように,性的不能者であるがゆえに性的に無垢な存在であるとするならば,ムイシュキンというのは人間としての肉体をまとった神の似姿であると理解することが可能になるでしょう。

 血液を抽出するための針の在庫が尽き,新しい注射器も使用するようになったのは,24日の木曜日の朝からでした。22日の就寝前から新しい測定器とセンサーを使用していたのですから,やはり在庫の個数のずれというのは僅かであったことになります。
 1月26日の土曜日は妹がガイドヘルパーを利用しました。この日は金沢区内にある地域ケアプラザまで出掛け,餃子の皮を使ったうどんを作って食べたそうです。ほかに味噌汁とリンゴの寒天ゼリーも食べることができたとのことで,妹にとってはよい外出であったのではないかと思います。翌27日の日曜日はピアノレッスンで,この日は午後1時からでした。
 1月29日の火曜日に,作業所での三者面談というのがありました。これも年に1度,大概はこれくらいの時期に行われているもの。場所は作業所ではなく,運営する施設の方。三者というのは妹と家族,僕の家の場合はと,作業所の担当の方です。このくらいの時期に行われるのは,この面談が次の年度に関する話し合いという主旨をもっているからです。つまりこの面談で,4月以降のことが決定されます。妹は現在は作業所でパンなどを作っていますが,この施設はほかにも作業の内容がありますから,変更される可能性はあることになります。ただし妹の場合はこの施設でお世話になってから一貫してパンを作る作業所に勤務していますし,これは今日からの新年度も継続することになりました。障害者にも作業についての向き不向きというのが当然ながらあるわけですが,妹の場合は現在の作業が向いているということなのでしょう。なお,この作業所には販売所も併設してありまして,妹は売り場に立つというケースもあります。僕が妹の作業という場合にはこうしたことのすべてを含んでいます。
 翌30日から2月1日まで,月をまたいで2泊3日のショートステイでした。そしてその2月1日の金曜日が,僕のI歯科への通院の日でした。この日も予約は午後11時半。この日は新しく架けるブリッジの準備のための型取り。まだ金属が少し残っていましたので,まずはそれをきれいに落とす作業から。2週間前に固めたセメントはある程度まで剥がしまして,その部分には仮の歯を装着しました。これがこの日の治療のすべてだったのですが,最後の仮の歯の装着は最終的な手直しというのがあり,時間を要しました。
コメント
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