スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ゴールドカップ&第四部定理三五系一

2017-12-20 19:24:45 | 地方競馬
 第55回ゴールドカップ
 短距離で実績を残しているフラットライナーズがハナへ。1馬身半ほどでソルテが2番手。また1馬身半差でケイアイレオーネが3番手。同じくらいの差でキタサンミカヅキが4番手で半馬身差の5番手にサニーデイズ。その後ろはカオスモス,キスミープリンス,テムジン,サブノジュニアの4頭で集団。この後ろは差が開いてアンサンブルライフ。また差が開いてハーキュリーズ。さらに差が開いてヴァーゲンザイルという隊列になりました。最初の600mは36秒6のミドルペース。
 最初に動いたのはキタサンミカヅキで,3コーナーを回るとケイアイレオーネを外から交わして3番手に。この動きに気付いたソルテも動き,直線の入口ではフラットライナーズを交わして先頭。直線ではソルテの外からキタサンミカヅキが追い,先を越されたものの立て直されたケイアイレオーネがキタサンミカヅキの外を伸びて3頭による熾烈な優勝争い。制したのは内のソルテ。外のケイアイレオーネがアタマ差の2着で中のキタサンミカヅキがハナ差で3着。
                             
 優勝したソルテは昨年のさきたま杯以来の勝利。南関東重賞は昨年2月のフジノウェーブ記念以来の勝利で9勝目。第53回以来2年ぶりのゴールドカップ2勝目。このレースは接戦を演じた3頭の能力が明らかに上位でしたが,それぞれに課題を抱えていたので近走の好調馬が逆転というケースもあり得るとは思っていました。しかしそれぞれが課題を克服したのできわめて順当な結果に。ソルテの場合,このコースと距離で重賞を勝ったくらいですから,その部分の適性は最上位。ただここが9ヶ月の休み明けという点が克服すべき課題でした。故障後の長期休養明けでの復活は立派ですが,さすがに年齢的なこともあり,昨年夏くらいまでの活躍を期待するのはやや酷ではないかと思います。父はタイムパラドックス。ひとつ下の全弟に今年のかきつばた記念を勝っている現役のトウケイタイガー。Sorteはイタリア語で運命。
 騎乗した金沢の吉原寛人騎手は南関東重賞はクラウンカップ以来の勝利で通算22勝目。第53回以来2年ぶりのゴールドカップ2勝目。管理している大井の寺田新太郎調教師も第53回以来2年ぶりののゴールカップ2勝目。南関東重賞はこれが17勝目。アラブ重賞を除くと11勝目。

 より積極的な側面,すなわち人間は理性ratioに従っている限りでは人間の多様性を肯定する,いい換えれば多様な人間が存在することを善bonumとみなすということについては,第四部定理三一を援用することができます。人間は理性に従う限りではその本性naturaが一致するのであり,本性が一致する限りでは必然的にnecessario善ですから,理性に従う限りで人間を善とみなすつまり肯定することになるからです。このことから一般的に理解できるように,現実的に存在するある人間が理性に従っている場合,その人間にとって最も善であるものすなわち肯定することができるものは,理性に従っている別の人間であることになります。これは第四部定理三五系一で示されています。
 「人間にとっては,理性の導きに従って生活する人間ほど有益ないかなる個物も自然の中に存しない」。
 この系Corollariumは理性に従う人間が,人間にとって最も有益な個物res singularisであるといっていて,理性に従う人間が理性に従う人間にとって最も有益な個物であるとはいわれていません。つまり理性に従う場合でも従っていない場合でも,人間にとって最も有益な個物は理性に従う人間であるといっているのです。このとき,もしその人間もまた理性に従っているなら,理性に従う相手側の人間が自分にとって最も有益であるということを確実に認識するでしょう。しかしそうでない場合には,そのように認識しない場合もあり得ます。たとえば第四部定理五七は,高慢superbiaな人間は理性に従う人間を憎むといっているようなものであり,実際にそのようなことが生じ得ることをスピノザは認めているといえます。しかしたとえ高慢な人間にとっても,理性に従う人間が最も有益な個物であり,それは阿諛追従の徒ではないということがこの系でいわれていると解してよいでしょう。
 逆に,理性に従っている人間は,理性に従っている人間を最も有益な個物と認識するでしょうが,たとえ理性に従っていない人間のことも有益であるとは認識します。それでも人間以外の個物よりは本性の一致をみる筈だからです。よって理性に従う限りでも,人間は人間の多様性,すなわち多種多様な人間が現実的に存在することを肯定するのです。
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