スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

桜花賞&手稿

2024-04-07 19:45:39 | 中央競馬
 第84回桜花賞。藤岡康太騎手が6日の3レースで落馬して頭部と胸部を負傷したためエトヴプレは鮫島克駿騎手に変更。
 外の方からショウナンマヌエラがハナへ。2番手にキャットファイトとコラソンビート。その後ろにクイーンズウォークとアスコリピチェーノとエトヴプレ。その直後のシカゴスティングまでは一団。イフェイオンとセキトバイースト。ステレンボッシュとセシリエプラージュ。チェルヴィニア。ワイドラトゥールとテウメッサ。マスクオールウィン,ハワイアンティアレ。2馬身差でライトバック。最後尾にスウィープフィート。概ね馬群の外を回っていた馬が徐々に位置を上げていく形になったので,3コーナーに掛けてもそこから4コーナーに掛けても位置取りにはかなり変化が生じました。前半の800mは46秒3のスローペース。
 直線の入口で逃げたショウナンマヌエラのリードはまだ2馬身ほどありましたが,2番手追走になっていたエトヴプレがすぐに先頭に。ただ外の各馬の脚がよく,ステレンボッシュが差し切って優勝。その外から追ってきたアスコリピチェーノが4分の3馬身差で2着。さらに外から追い込んだライトバックがクビ差で3着。
 優勝したステレンボッシュは重賞初制覇での大レース制覇。阪神ジュベナイルフィリーズはアスコリピチェーノが勝ってクビ差の2着でしたが,そのときはアスコリピチェーノの後ろから内を通って追い上げたもの。今日は直線入口での位置取りが逆になって逆転したという内容。2頭とも阪神ジュベナイルフィリーズ以来のレースで,その2頭が上位人気に推された上で,離れた後方から追い込んできた2頭を凌いでワンツーフィニッシュを決めましたので,この2頭はほかに対して力量上位であるとみてよいと思います。父はエピファネイア。母の父はルーラーシップ。祖母の父はダンスインザダーク。3代母がウインドインハーヘアで従妹に昨年のホープフルステークスを勝っている現役のレガレイラ。Stellenboschは南アフリカの都市の名称。
                                        
 騎乗したブラジルのジョアン・モレイラ騎手はJBCクラシック以来の日本馬に騎乗しての大レース9勝目。桜花賞は初勝利。管理している国枝栄調教師は2021年の阪神ジュベナイルフィリーズ以来の大レース23勝目。第70回,78回に続き6年ぶりの桜花賞3勝目。

 僕たちにとっては認識するcognoscereことが不可能な属性attributumについても,第二部自然学②補助定理七備考でいわれていることは成立します。なのでこの備考Scholiumを論拠として神Deusをひとつの個体と仮定する國分の方法は成立すると僕は結論します。つまり,神が内在的原因causa immanensであることの意味は,神をひとつの個体と規定するなら,神という個体の中で生じる各々の様態modiの生成も推移も消滅も神自身の行為にほかならないのであって,各々の様態のその行為は神の力potentiaの表現であるのですが,そうしたことは神の本性essentiaを構成する無限に多くのinfinita属性のどの属性を抽出したとしても成立すると僕は結論付けるということです。
 この部分の考察は以上です。次の論題に移りますが,これは何かを考察するというよりは,史実の確認といった方が正確です。
 『スピノザーナ11号』に関連する事項として,工藤喜作について考察したときに,工藤が知り得なかった事実について触れました。工藤は2010年1月に死んでしまったのですが,同年になって,『エチカ』の手稿が発見されたということです。このことについて,『スピノザー読む人の肖像』の第4章で詳しく説明されています。これはこのブログの今後の考察についても有益だと思いますので,ここでその事情というのを,國分の説明を追いながら詳しく説明しておきましょう。
 『エチカ』の遺稿集Opera Posthumaは1677年に出版されました。この当時,手稿すなわち生の原稿のことですが,それは出版後に廃棄するというのが当時の出版業界の常識でした。ですからスピノザの手による『エチカ』の原稿というのは,そのときに破棄されてしまったと考えるのが妥当です。ただ,『エチカ』の出版はスピノザの死後のことであって,スピノザは生前にその原稿の写しを何人かには渡していました。2010年になって発見された手稿というのは,スピノザが存命中に書写された手稿のひとつです。
 これを書写したのは,ピーター・ファン・ヘントという人物であると特定されています。僕にとっては初見の人物でしたが,この人はスピノザの友人のひとりで,ラテン語に堪能な人物であったと國分は説明しています。きちんとした証拠で特定されています。

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