[あらすじ] 10月から書を独習し始めた。
当初の目的の草書にやっと辿り着いて、さっそく
孫過庭の書譜の臨書をしている。
誰だったっけなー、歴史上の、有名な名書家
たとえば弘法大師とかそういった人だったと思うのだけれど、
誰のことだったか忘れてしまったが。
幼いうちから上手でありまた鍛錬も積み、
十歳だか十二歳だかそこらで、書譜の臨書をして、
一年半で書き終えた、という逸話がある。
誰の話か憶えていないと、イメージ湧きにくいか。
すべてを書き終えた。
歴史上の名人の誰かさんが一年半かかったところ、
私はきっちり四週間。
いかにさらりと適当に済ませたか、わかるというものだ。
※
内容については今後も読み込んでいきたいと思う。
以前ここのブログにも書いたが、
私は本を手に取ると、まず「はじめに」を読み、次に「あとがき」を読む。
これで、著者がこの本に書きたいことと、書かなかったことと、
自分との相性がわかる。
「はじめに」と「あとがき」を読んで、つまらなかったり読みにくかったりする本は、
一冊まるまるつまらなかったり読みにくかったりする。
そんな本に引っ掛からないために、「はじめに」と「あとがき」を最初に読んでしまうことは
意味がある。
書譜にも「あとがき」の部分がある。
今日はそこを訳してみる。
漢や魏の昔以来、書を論じたものは多い。
しかし、良いもの悪いものが混在し、ごっちゃらけになっている。
以前から言われていることを繰り返し言っているだけで、既存のものと違いの無いものもあれば、
新しい説を唱えてみたものの、今後の役に立たないものもある。
いたづらに複雑なものを余計に複雑に、不十分なものをなおさら不十分にしているばかりだ。
今、私は厳選して六篇にまとめ、分けて二巻を作った。
その内容を順序立てて、書譜と名づけた。
ねがわくば、弟子たちがこれを規範として大事にし、
世間の識者にもじっくり読んでほしいものだ。
秘密を封印するなんてことは、私はしない。
漢魏より已來、書を論ずる者多し。
妍蚩(けんし)雜糅(ざつじゅう)し、條目糾紛す。
あるいは重ねて旧章を述ぶるも、ついに既往にことならず。
あるいはかりそめに新説を興こすも、ついに将来に益なし。
いたづらに繁き者をしていよいよ繁く、欠くる者をしてなお欠かしむるのみ。
今、撰して六篇と為し、分かちて両巻を成す。
その工用を第して、名づけて書譜という。
こいねがわくは一家の後進をして、奉ずるに規模を以ってし、
四海の知音(ちいん)をして、あるいは観省を存せしめんことを。
緘秘(かんぴ)の旨は、余、取る無し。
自漢魏已來 論書者多矣
妍蚩雜糅 條目糾紛
或重述舊章 了不殊於既往
或苟興新說 竟無益於將來
徒使繁者彌繁 闕者仍闕
今撰為六篇 分成兩卷
第其工用 名曰書譜
庶使一家後進 奉以規模
四海知音 或存觀省
緘秘之旨 余無取焉
当初の目的の草書にやっと辿り着いて、さっそく
孫過庭の書譜の臨書をしている。
誰だったっけなー、歴史上の、有名な名書家
たとえば弘法大師とかそういった人だったと思うのだけれど、
誰のことだったか忘れてしまったが。
幼いうちから上手でありまた鍛錬も積み、
十歳だか十二歳だかそこらで、書譜の臨書をして、
一年半で書き終えた、という逸話がある。
誰の話か憶えていないと、イメージ湧きにくいか。
すべてを書き終えた。
歴史上の名人の誰かさんが一年半かかったところ、
私はきっちり四週間。
いかにさらりと適当に済ませたか、わかるというものだ。
※
内容については今後も読み込んでいきたいと思う。
以前ここのブログにも書いたが、
私は本を手に取ると、まず「はじめに」を読み、次に「あとがき」を読む。
これで、著者がこの本に書きたいことと、書かなかったことと、
自分との相性がわかる。
「はじめに」と「あとがき」を読んで、つまらなかったり読みにくかったりする本は、
一冊まるまるつまらなかったり読みにくかったりする。
そんな本に引っ掛からないために、「はじめに」と「あとがき」を最初に読んでしまうことは
意味がある。
書譜にも「あとがき」の部分がある。
今日はそこを訳してみる。
漢や魏の昔以来、書を論じたものは多い。
しかし、良いもの悪いものが混在し、ごっちゃらけになっている。
以前から言われていることを繰り返し言っているだけで、既存のものと違いの無いものもあれば、
新しい説を唱えてみたものの、今後の役に立たないものもある。
いたづらに複雑なものを余計に複雑に、不十分なものをなおさら不十分にしているばかりだ。
今、私は厳選して六篇にまとめ、分けて二巻を作った。
その内容を順序立てて、書譜と名づけた。
ねがわくば、弟子たちがこれを規範として大事にし、
世間の識者にもじっくり読んでほしいものだ。
秘密を封印するなんてことは、私はしない。
漢魏より已來、書を論ずる者多し。
妍蚩(けんし)雜糅(ざつじゅう)し、條目糾紛す。
あるいは重ねて旧章を述ぶるも、ついに既往にことならず。
あるいはかりそめに新説を興こすも、ついに将来に益なし。
いたづらに繁き者をしていよいよ繁く、欠くる者をしてなお欠かしむるのみ。
今、撰して六篇と為し、分かちて両巻を成す。
その工用を第して、名づけて書譜という。
こいねがわくは一家の後進をして、奉ずるに規模を以ってし、
四海の知音(ちいん)をして、あるいは観省を存せしめんことを。
緘秘(かんぴ)の旨は、余、取る無し。
自漢魏已來 論書者多矣
妍蚩雜糅 條目糾紛
或重述舊章 了不殊於既往
或苟興新說 竟無益於將來
徒使繁者彌繁 闕者仍闕
今撰為六篇 分成兩卷
第其工用 名曰書譜
庶使一家後進 奉以規模
四海知音 或存觀省
緘秘之旨 余無取焉
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