犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
犬のこと、人の心身のこと、音楽や自作のいろいろなものについて

性分化疾患の勉強会

2016年05月06日 | LGB&T
LGBTの活動に、Iを加えるのは妥当だろうか、という議論がある。

LGBTとは、L:レズビアン、G:ゲイ、B:バイセクシュアル、
T:トランスジェンダー/トランスセクシュアルのこと。
Iとは、IS(インターセックス)のこと。

ただし、治療によって男女どちらかとして生活をしているケースが多いので、
インターセックスつまり間性という呼び方を嫌う人も多い。
DSD:性分化疾患(Disorder of sexual development)と、原因である疾患名で呼んだりするが、
これも、病気として扱うべきではない、という考え方もある。
このあたりは以前ふれたことがあるので、そちらを読んでほしい。
http://blog.goo.ne.jp/su-san43/e/a54e976ae482bbeaa184c4c2a8fb1be3

「ゲイみたいに、何か主張があるわけではないので、
LGBTの活動にISを引っ張り出さないで欲しい。
普通にひっそりと暮らしているのに。」
という意見がある。

私は、自分が何者か、なぜ自分はこうなのか、という疑問を探る中で、
DSDの存在を知った。
子どもを持てないこと、自分の性に悩むこと、親も苦しむこと、
人になかなか言えないこと、自分の存在意義がわからなくて死にたくなっちゃうこと、などなど
同じとは言わないが、似た経験があるので、共感を抱いた。

だから、LGBTIとして一緒に活動すると良いのではないか、
と勝手に光明を見たように思っていたが、上に書いたような意見に会った。

という次第で、こりゃあもう少し知らねばと思い、
東京レインボーウィークの一貫のイベントとして催された、
「学ぼう!性分化疾患」に参加した。
http://tokyorainbowpride.com/event/1691
定員30名という会場は満員だった。

当事者5人が自分のライフヒストリーを語った。
以前から、人前で自分のことを話すという活動をしている人もいれば、
去年のこのイベントで初めて人前に出たという人、
今回が初めてという人など様々だった。

また、心理カウンセラーの方や、弁護士の方の視点からの
話も聞けた。

参加している人のセクシュアリティも様々だった。
この日得たものは山ほどある。
あらためて詳しく報告したいが、
一番は当事者と話す機会が持てたことだ。
そしてもうひとつは、LGBTはDSDの良きアライ(理解者・支援者)になれる、
という考え方に出会えたことだ。
イベントの開催者側のゲイからも出た言葉だったが、
当事者からも同じ言葉を聞くことができた。

なるほど、LGBTIというふうにひっくるめるのではなく、
DSDアライという関わり方が有る。

・性別は男か女。
・人は子どもを産んで育てて一人前になる。

この価値観が問題なんじゃないだろうか。
LであれGであれBであれTであれIであれ、
または不妊であれ身体障害者であれ、
このような価値観が、日本の社会で今も続いているのが、
問題の大もとなんじゃないだろうか。

個々の当事者は非常に多様であり、
それぞれが必要としていることは別々だったりする。
が、家族との関わりや、自分自身の身体の受け止め方や、
世の中での自分の存在感や、もろもろから発するこころの問題の
原因になっているのは、この価値観なんじゃないだろうか。

この価値観に当てはまらない自分がいるのに、あまりにこの価値観が強く大きいので、
そこに自分を押し込めざるを得ない時期がある。
これが苦しい。
自分を苦しめる価値観に自分を当てはめるという矛盾がある。
そんなことをしなくて良い、と気付くと楽になるが、
そもそもそんな価値観も無くても良い。

生活していくには、個々の問題に対処せねばならず、
具体的には制度を整えていくこと、そのためには行政に働きかけること、
当事者同士で支え合うことなどが必要だ。

その上で、世の中にある異性愛中心の価値観に対して、
それだけじゃないんだ、ということを言い続けることには意味があると思う。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 十和田湖のヒメマス | トップ | 私の性自認を何と呼ぶか »

コメントを投稿

LGB&T」カテゴリの最新記事