犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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蛙さんを悼む

2018年08月25日 | LGB&T
[あらすじ] タクシー運転手の蛙さん(仮名)による蛙ネット(仮名)は、
インド言語や漢文についての情報が満載で、
サンスクリットを独習する私にとっては格好の水先案内になっている。
管理人である蛙さんの"女房"のT子さんはMTFだ。
牧師であり、聖書研究のためにギリシャ語やヘブライ語などを学び、
宣教のために古楽カフェを開いたが、100日ほどで経営的にも追い込まれ、
自ら命を絶った。

ツイッターに遺された遺書に、蛙さんに向けた言葉が無いことが
私はどうも引っ掛かった。
そして、ある考えが湧いてきた。

蛙ネットを読んで、T子さんのツイートを読んで、
何か、受け取る感じが共通している。
文体が似ているのだろうか。
蛙ネットをT子さんが作っているせいだろうか。
いや、もっと何か、同じ空気感が漂っているのだ。

もしや、と思って私は、ツイートログを検索した。
「運転」

すると、いくつかのツイートがヒットして出てきた。
その中に、こんなものを見付けた。
「私は9年間タクシー運転手をしていたのだが、
あれもワンメーターで回数をかせぐところがあって、喫茶店ととても似ているわ。
客単価とか客数とか費用とか、特に個タクなんかは喫茶店にそっくりだと思うわ。」
というのだ。

やはり。
これは、蛙さんとMTFのT子さんが同僚だったということではない。
同一人物なのだ。というより、一人二役なのだ。

「↓インドではサンスクリットの勉強の一環で「サンスクリットで会話してみよう」
っていうのがあって、こういう本が出てるのよ。
私がタクシー運転手してたとき、IT企業に向かうインド人がどかどか乗り込んできて、
私がたまたま見てたサンスクリットの本見つけてサンスクリットで話しかけてきたわよ。」

さらに読んでいると、明らかな証拠も見付かった。

「今までウソをついていたわけだが、はるな愛だって本名の大西賢示への来訪者には
「主人はちょっと出かけてて」と言うらしい。
性的マイノリティにとってプロフィールの虚構は生存権をかけたものなのだ。
バレたら死。大げさだって?
社会的にはまさしく「死」を迎えることも十分ありうるのだ。」

「そんなわけで性的マイノリティが自分の身の上に関してウソをつくのは
権利だと思っていただきたい。この権利の確保もかねて、今後も男モードの話のときは「主人」、
性転換の話のときは「Tナ」という虚構を用いるかもしれない。
皆さんはその虚構につきあうもよし、全部「T子さん」でもよし。」
(「T」に置き換えたのは筆者須山)

「だいたい、主人/真理子/マリナという虚構によって不利益を蒙った人はいないはずだ。
『ふしふしキリ』奥付の名前を含めカネのからむ契約は戸籍上の男性名でやっている。
1/18に受ける性別適合手術後も当分は戸籍の名や性別表記を変える予定はないから、
問題は発生しないはずである。」

この3つは2012年12月31日のツイートで、T子さんはこの後、2013年の3月18日に手術をする。



なぜそのように名乗りを使っていたか、
本人が簡潔に説明してくれている。

せっかく見付けた灯だが、蛙ネットはいつか見られなくなってしまうかもしれない。
勉強家のタクシー運転手「蛙」さんに"女房"はおらず、
志有るMTF牧師のT子さんに"主人"はいなかった。
私としては、突然、ひとりになってしまったこころもちだ。

T子さんはリツイートも含めて、月に数百ツイートしている。
言葉で表現するのが得手なのだろう。
ひとりの人の姿がツイートログに映し出されている。
少しづつ、読んでみることにする。

つづく

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