昨年BSマンガ夜話で紹介され、気になっていた「真説~」を買って読んでみました。
番組を見てある程度下知識は持っていたつもりですが、予想以上に過激な
暴力表現、描写でした。(そりゃTVではとても映せないようなシーンが多いしね)
かなりのボリュームですが、ほぼ一日一冊ペースで、おもにストーリーを追って
一気に読みきりました。(心身、特に眼が疲れました…)
番組では、本来あまり注視されない背景(日常の風景)まで
かなり丁寧に書き込んであることも評価されていたので、その確認も含め近日中に
もう一度じっくりと読み返しにかかりたいと思います。
ちょっと小さいのでわかりづらいかもしれませんが、写真手前左が主人公の一人
「モン」の初期の顔(第一巻)。手前真ん中が最終巻(第五巻)のモンの姿。
怪獣「ヒグマドン」との出会い(闘い)、恋人?マリアの死など諸々経て、
野性味が薄れると共に、どんどん神がかり的な存在になっていくモン。
片やもう一人の主人公「トシ」(写真右)は、逆に凶暴性を加速させつつも
最後まで「人間」であり続ける、ある意味小さな存在の象徴。
賛否分かれたという神、あるいはそれに近い大きなものの影響が色濃くなる
最終回への展開は、番組では否定的な見解が多く、いしかわじゅん、
岡田斗司夫両氏はきっぱり「失敗でした」と言い切っていましたが、
ここまで地球規模に話を広げると、この展開、ある程度は致し方ないんだろうな…
デビルマン、火の鳥、あるいはアニメだとイデオンなどもそうですが、
そうした大きな力の前では人類(人間)の存在、力はあまりに小さく、
最終的には旧人類の滅亡が次の新たな生命を生み出す(リバースする)展開は
理解できなくはないけれど、人の死があまりに簡単すぎて、それぞれそれなりに
一生懸命生きてきた存在、証があっけらかんと否定されてしまうのが、
ちょっと虚しい終局ではあるんですね。
あまりにも濃い作風で拒絶反応をおこして当然、けっして万人向けでは
ない作品かもしれませんが、はまればものすごく面白いのは間違いない、
機会あればお読みになってみてください。
マンガ夜話を見て、気になった作品は多々あれど、実際買ったのは今回が初めて。
普段漫画雑誌は読む習慣がなく(読んでるのは新聞掲載の4コママンガ、
ののちゃん、地球防衛家のヒトビト、べるばらKidsくらいだな)、
今どんなのが流行っていて、面白いのか情報をほとんどもっていないので、
今度またこういう買い方をしてみたいと思います。
♪ あなたをそばに感じると
わたしの体は満ちてくる
重さや温度 色や匂い
なくしかけてた何もかも
あなたの糸は途切れない
ひとりになっても 遠くでも
私が小さく固くなり
重さや色が薄れても
声が聞こえる 誰か呼んでいる
とても懐かしい その声は途切れない
自分の影と遊んでる
わたしをわたしが見つめてる
どこから来たの どこへ行くの
最後はどこへ帰るの
わたしを見てるそのわたしを
誰かが黙ってみつめてる
ほんとの名前知らないけど
たとえばそれは神様
(神様/詩:谷山浩子)