明日は天気が悪そうだし、完全休養が予想され、食材など仕入れたあと、
午後再びナキちゃん観察に赴く。
ここで、元大雪山パトロール員のMさんに久々に再会する。トムラウシ付近で
すれ違っていたこともあったのに、今や落ちぶれマッポの手先の私は、山上を
歩けそうにない現状を彼にボヤく。
ナキちゃん登場は一度きりだがそれなりにサービスしてくれた。貯食のため、
シラタマの実のついた茎を加えて走ったが、うまく撮れていたら可愛いのが
写っているはずなんだけど…
(追記:4,5回シャッターチャンスがあったのに、ブレるなどしていて使い物に
ならず、かろうじて1枚どうにかなりそうなのがあるのみだった、情けない)
夕方雲が少なくなって、斜光で稜線くっきりの十勝岳。
夕陽が沈む。これ、明日本当に天気が崩れるの?
お酒を飲む手を休め、少しだけ撮影。
夜、目が覚め車外へ出ると、満天の星空だった。多めだった雲はいつの間に消えて
なくなったのだろうか? 星空観察会なども行われていたようだが、私はとても
長時間見続けられそうになく、再び寝床に潜り込んだ。
元々この2枚の写真は、秋編④の最後に掲載し、「こんなハプニングがありました」
程度に軽く済ませるつもりであったが、この直後に痛ましい事故が起こったことを
後で知り、少し詳しく写真を撮った経緯を記載しておこうと考え直した。
まずは、事故でお亡くなりになった若い選手に心からお悔やみ申し上げたい。そして、
この記事を書いている時点ではまだ、事故に至った経緯の詳細が明らかではないが、
加害者側の他府県ナンバーの男性(旭川在住とのことだが)に落ち度がなかったと
すると、同情を禁じ得ない。私も寸でのところで同じ事故を引き起こしていた
可能性があったからだ。
ツールド北海道開催で、この界隈がルートになっていることは、道道沿いの
立て看板で知ってはいた。ただし、昨夜北海道入りしたばかりの私は、詳細に
ついてはまったく知識がなかった。撮影をいったん終え、食材買い出しのため
山を下る必要のあった私が、望岳台の駐車場を出たのが11:00ちょっと前だったと
記憶する。その時チラッと頭に「道路が閉鎖される時間帯って、お昼頃では
なかったかな?」と浮かび、うまく通行できるかと不安に思ったが、道道と
合流するT字路には係員がおらず(いたかもしれないが、指示はなかった)、
停止させられることもなくすんなりと右折でき、白金温泉方面へと下り始めた。
ところが、道道を走り始めてすぐに、いつもとは違う雰囲気に気がついた。
道路沿いの駐車スペースの至ることろに車がとめられ、レースの見物人が
いまかいまかとレーサーを待ってるようなのだ。そこへ場違いに一般車が
通行しているものだから、「なんだこいつ?」みたいな視線を浴びているのを
痛いほど感じた。警備員のような人が混じっていたのかもしれないが、特段
警告等何もなかったのでそのまま通過した。
異様なムードは察知したが、その後も特別何も指示がなく、そのうち対向車線に
「通行止め予告車(だったか?)」の垂れ幕をボンネットに張り付けた車が
やってきたがここでも素通りできたので、「予告している最中だから、まだ
もう少し自転車はやってこないのだろう」と信じて、そのまま走行を続けた。
そして、やれやれ白金温泉方面へのT字路へ無事到着できたと安堵した矢先、
写真左にチラッと写っている警察官に停止するよう指示された。T字路内に
立っているもう一人の警官に通行させていいか聞いてくれたが、もうすぐ先頭
集団がやってくるからダメとのことで、車を左端へ寄せて、ハザードランプを
点灯させ、駐車するよう指示された。もう数分早ければすんなり通行できたのに
と、その時は恨めしく思った覚えがあるが、今から思うと、逆にあと数分ここへ
至るのが遅かったら、事故を起こしていた恐れがあったことを思うとゾッとする。
このお巡りさんがとてもやさしい方で、待機させているのを恐縮がり、「すみません
ねえ、警備会社には車を入れないよう指示を出していたはずなのですが…」等々、私の
車の右サイドにへばりつくようにして身を挺して自転車からガードしてくれながら、
とりとめもない話をしつつ、レーサーの通過を待つしかなかった。たしかその時の
話では、道路閉鎖は警察、車の乗り入れ防止は警備会社と、担当を分けて運営を
行っていると仰っていたように記憶する。
結局、全車両が通過して通行止めが解除されたのが11:40近かったと思う。正直
待たされてイライラしたのは確かだが、特等席?で迫力あるレースを間近で見られたのは
いい思い出になるかもしれないと割り切れた(もちろんその時点では、直後に事故が
起こるとは思ってもいなかったので、のんきに構えていたのだ)。自転車は前方右方向
からこちらへ向かいあまり速度を緩めることなく左折してくるので、対向車線まで大きく
膨らんではみ出してきて、もしも私の車がもっと先で停車していたら、相当危険だった
と思われる。自転車の通行が原則片側のみだと知ったのは、事故後の報道によって
であった。交差点での右左折時には、実際問題それは無理な話だと思う。
この事故のことは気になるので、その後も報道を気にかけていたのだが、現時点では
まだ、原因など詳細は明らかになっていない。引き続き注視し続けたいと思っている。
9月8日(金) 晴れ時々曇り
本当は午後から入山するつもりだったのに、明日以降悪天候が続きそうなので
気が急いて、いきなり長躯望岳台まで走ってしまった。用意を済ませ、現場入り
できたのが8:00頃だったと思う。
ゴールデンタイムを過ぎてしまったのでそうなのか、夏と比べるとナキちゃんの
声があまり聞こえてこない。数匹いたちびうさたち、生き延びることができず、
数を減らしたのかも。あれだけ頻繁に出没したのが嘘のように、活動が活発でなく、
夏みたいにバンバン写せない。
先にいた三名(うち男性二名は夏にも会った方々、釧路のOさん、神奈川のSさん、
女性は以降ここで一緒になることが多くなる岡山のAさん。名前がわかるのは、
彼らは旧知の仲で顔見知り、お互いを名前で呼び合っているから)が帰ってしまう
と私一人きりに。にぎやかなおしゃべりが止んで、し~んと静まり返っても
一向に出てくる気配がなく、私もあきらめ、10:30頃下山した。