この個体は左上顎に欠損がある
おそらく生まれついてのものでなく
近年何かトラブルに巻き込まれたのだと推察する
グループのリーダー格なのか、警戒厳しく
この子にはしょっちゅう吠えつかれた
ハンディに負けず
末永く吠え続けてほしい
【東ヌプカウシヌプリのナキウサギ 2022.05.17 撮影】
東川町の図書館で読んだのが、「名探偵のはらわた/白井智之著」。文庫本化
されたものが、新刊本コーナーにあったのが目について読んでみた。
白井氏は、これまではなかなかにグロテスティックな推理小説をいくつか
発表されていたようだが、この名探偵~は、いくぶんそのテイストが抑えられ、
比較的万人向きでソフトタッチな作品に仕上げられているという。
とはいえ、そのタイトルから、我々旧世代には、「死霊のはらわた」という古い
オカルト映画を連想させるのだが、その通り、内容はその映画内容を踏まえた
もので、過去に大事件を起こした稀代の殺人鬼たちが地獄の亡者から蘇り、
現世で人鬼となり、新たな殺戮を繰り広げるストーリーだ。
しかしタイトルに込められた意味はそれだけでなく、『はらわた』とは
名探偵の助手の原田亘(はらだ わたる)の愛称で、なんだ、そうだったのか
と思わせておいて、いきなり探偵役が殺害され、名探偵の「腸=はらわた」が
飛び出る始末。タイトルだけでなく、作品内容も多重に張り巡らされた伏線
だらけ、気を抜くことなく読み進めなければならない。
探偵役がすぐに消えてしまう設定は、今村昌弘さんの小説にもあって驚いた
ものだが、ここでは、死んだ探偵の体に地獄から派遣された伝説の名探偵が
乗り移り、活躍を引き継ぐ意表を突く展開で、スマートで紳士的な探偵
(例えれば、シャーロック・ホームズや明智小五郎みたいな)から、能力は
高いがゲス野郎な人格に中身が入れ替わることで、以降作風も一転するのが
面白い。しかも対峙する犯人は人間に憑依した人鬼、逮捕でなく「ぶち殺す」
しか解決手段はなく、否が応でもハードボイルドでバイオレンスな展開へと
エスカレートする。
『八重定事件』『農薬コーラ事件』『津ヶ山三十人殺し事件』などなど、
ああ、あの事件がモチーフなんだとすぐわかる個々の事件を解決し、
物語が一応の決着をみるとき、タイトルの真の意味が分かるという仕掛け。
SFじみたぶっ飛んだ設定だが推理は本格的、今時のなんでもありの
アニメを違和感少なく見られる方にはお勧めの、とても面白かった一冊。
9月15日(金) 晴れ時々曇り
深夜まで降り続いた雨が上がり、早朝山上は快晴に近いような青空が広がった。
ただし麓には密度の濃い雲海が広がっていて、下界ではお昼前後まで曇りとなった。
今日から明日にかけての予報が良く、山に入るならこのタイミングしかなく、
今更ながらではあるが、緑岳か赤岳へ日帰りで下見に行ってこようか迷った。
しかし伝え聞くところによると、山上は草紅葉の状況すら良くないうえに、
ナキウサギなどの動物の出も決して良くないらしく、はたして、無理して遠くまで
出かける意味はあるものかと、結局安易な方向へと流された私は、本日も
望岳台詣でで事を済ませてしまった。
ナキウサギ撮影現場は釧路のOさん、岡山のAさん、神奈川のSさんの四人だけで、
ペチャクチャとおしゃべりしながら待機するのはいいとして、肝心のナキちゃんは
一向に現れず、岩場はし~んと静まり返りっぱなしだった。Oさんによると、
草に水滴が残っているとナキウサギは嫌がり、あまり出なくなるという考察で、
「昨夜は遅くまで雨が降りすぎたのが気になっていた」う~ん奥が深いな。
結局、たった一度姿を現せただけで、ファールチップで空振り三振てな感じ。
午後になっても山は安定して見え続け、Sさんに教えてもらった美瑛のひまわり畑で少し撮影。
Aさんは、午後ロープウェイで姿見まで行って、シマリスを撮影してきたようだ。
前向き、アクティブやなあ。
夕方も山はくっきり。
オプタケシケ上空の夕映え。
やや雲が多くなったのがかえって幸いしたのか、予想以上にきれいに夕焼けた。